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【ラグビー】「数字以上に大事なもの」日本代表、豪州にわずか3点差の惜敗…エディーHCが指摘した“勝敗を分けた差”

【ラグビー】「数字以上に大事なもの」日本代表、豪州にわずか3点差の惜敗…エディーHCが指摘した“勝敗を分けた差”

現実を突きつけられた。

 ラグビー日本代表は8月8日、東大阪市花園ラグビー場での対オーストラリア代表2連戦の初陣を33-35で落とした。

 ボール保持率を示す「ポゼッション」でも、敵陣に進んだ割合にあたる「テリトリー」でも、日本代表が上回っていた。

 かつ、こだわりの勤勉さで何度も数的優位を作り、効果的なパス、ランを刻んだ。奪った4トライのうち前半12分、同34分、後半5分の3本は、この国のDNAたる連続攻撃から生まれた。その間、今年デビューしたスタンドオフの伊藤龍之介は細やかな仕掛けで映えた。
  直近の試合で課題となったモール(立ったボール保持者を軸とした塊)の防御も、首尾よく改善していた。伊藤鐘史アシスタントコーチによると、直前の網走合宿で「151本」のモールを組んでいた。そのおかげもあり、前半30分頃、敵陣ゴール前左で踏ん張って耐えた。

 エディー・ジョーンズヘッドコーチは、「選手の努力には100パーセント、誇りに思います。スタッツ(統計)的にどう出るかはわかりませんが、数字以上に大事なものがあります」。数値化できる分野、できない分野のいずれでも上回ったと言いたげだ。

それが事実であっても、勝ったのはオーストラリア代表だった。

 キックオフの夜7時にして近隣の気温は30度超。真冬の南半球からやって来たオーストラリア代表は、不慣れな環境でハンドリングエラーを連発していた。悔やまれるのは、本拠地の日本代表もノーミスとはいかなかったことだ。

 何より日本代表の失敗は、得点板の動きに大きく絡んだ。

 先制点を挙げるまでの約12分の間に再三、向こうのゴール前で落球した。

 7―7と流れが動き出していた前半21分頃、直前のフィニッシュで14―14と勢いづいていた同35分頃にも敵陣22メートルエリアでミスや反則に泣いた。

 多彩なコンビネーションで打ち込みノックアウトを狙いながら、80分の流れを傾ける決定打を打てずにいたと言える。

 かたやオーストラリア代表は、要所でクリーンヒットを決めた格好だ。

 ウイングのハリー・ポッター、センターのジョセフ=アウクソ・スアリイといった世界的なタレントのビッグゲインは、前半15分、後半2分のスコアのきっかけとなった。

 特に後半2分のそれは、オーストラリア代表側の危険なプレーによる「20分レッドカード」により、日本代表が数的優位を保っていた頃にあたる。

 直前までのハーフタイムのやり取りを、勝った新ヘッドコーチのレス・キスはこう振り返る。

「どうエネルギーを切らさずに戦い抜くかを意識しました。(具体的には)ピッチの使い方、足に負担をかけないことについて話したと思います」

 最初からロングキックの多用でプレーを断っていた通称「ワラビーズ」が、ピンチに直面してなおエネルギーのセーブを再徹底しようとしたのが伝わる。

 後半9、30分には、日本代表の接点でのペナルティーによりトライラインの近くに到達。力ずくで加点した。ジャパンが長らくアキレス腱とする、ハイパント合戦でも優位に立てた。
  日本代表がスタミナに難点があると見立てていたオーストラリア代表が、最後まで点を奪えた。その潮流について、かつて相手側も率いていたジョーンズは「相手がどうかは気にしていない」。では、自分たちはどうだったのかと聞かれ…。

「ファンダメンタルに尽きる。今回は相手がろくにプレッシャーもかけていないのに簡単に相手にボールを渡した」
  2連戦の2つめは15日にクイーンズランドカントリーバンクスタジアムで行なわれるのを踏まえ、ジョークを重ねる。

「日々、鍛錬するしかない。次はブリスベンではなく、(キャンプ地の)網走に行こうかと思っています」

 世界ランクで2つ下回っていた日本代表が、全体的に不振に映った格上国を倒しきれずに戦い終えた。その現実を突きつけられ、なお、前を向くのがリーチ マイケルだ。この日の途中出場で96キャップ目を得た37歳は、自軍が若者を多く出したのを踏まえて明るい未来を語る。

「若いメンバーがどんどんトップレベルを経験しているなか、それでも(上位国相手に)3点差。新しい人が入ってきて代表のレベルを落とさないということは、練習が正しいということ。今回のいいところは、(来週に)もう1回チャンスがある。修正するところは修正し、頑張ります」

 2024年の発足時、現体制は歓迎ムードを作れなかった。指揮官の選考方法の妙、大幅な若返りに多くの意見が生じたためだ。

 もっともこの数年で、リーチのような熟練の理解者らが成功に不可欠な無形の絆を紡いできた。ロックのワーナー・ディアンズ主将ら海外出身フォワードの充実もあり、勝負の土台となるぶつかり合いで引けを取らなくなった。

 この夜あった点差以上の差を埋めるのに、十分なポテンシャルを持つ。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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配信元: THE DIGEST

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