ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「投手・大谷翔平」のリハビリ状況について語ったのは、現地時間8月8日のダイヤモンドバックス戦後だった。
打者・大谷はこの日、1番・DHで出場し、延長10回に適時内野安打を放ってチームの勝利に貢献。チームの連敗は7でストップしている。
ロバーツ監督の話によると、大谷はキャッチボールを再開。その距離は塁間ほどで、時おり変化球を投げる「遊び」を加えるなど、順調に見えたという。実際の復帰登板日についてはまだ見通しが立っていないそうだが、この話にはウラがあった。大谷の名前が、サイ・ヤング賞争いの予想オッズから消えていたのだ。現地記者団が試合とは関係のない「投手・大谷」のリハビリについて質問したのは、そのためだ。
この前日、米メディア「FOX SPORTS」がミルウォーキー・ブリュワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー投手の好調さについて触れ、
〈8月2日のエンゼルス戦で約1カ月ぶりの負けがついたが、7回を投げて10三振も奪った。次回登板では価値がまた付くだろう〉
と紹介していた。そして、ミジオロウスキーがサイ・ヤング賞レースの本命であることを改めて伝え、オッズ表を紹介。なんとそこに、大谷の名前がなかったのだ。
スクバルを獲ったのは「投手復帰」に一抹の不安があったから
大谷の前回登板は7月13日。ペナントレース後半戦に入ってからはまだ、1試合も投げていない。ロバーツ監督の話が本当ならば、キャッチボールは7月22日以来ということになる。
仮に8月中の投手復帰がかなったとしても、ミジオロウスキーは2位以下を大きく突き放しており、「逆転は難しい」という。日本人投手では初めてとなるサイ・ヤング賞受賞の夢は完全に断ち切られてしまった感があるが、
「ドジャースはタイガースからMLB最強左腕とされるタリク・スクバルをトレードで獲得しました。でもドジャースには大谷、タイラー・グラスノー、ブレイク・スネル、山本由伸がいて、その顔ぶれは球宴級です。さらに山本と同じ11勝を挙げているジャスティン・ロブスキーと、佐々木朗希もいる。スクバルは今オフFAになって、高額条件での新契約を狙っている。それでも獲ったのは、大谷の投手復帰に一抹の不安があったからでしょう」(アメリカ人ジャーナリスト)
投手・大谷が元気だったら、スクバルのトレード先は変わっていただろう。
(飯山満/スポーツライター)

