2028年ロサンゼルス五輪のテニスを巡り、異例のスケジュールが波紋を広げている。四大大会の「ウインブルドン」最終日(男子シングルス・女子ダブルス決勝日)からわずか3日後に、ロサンゼルスで五輪のテニス競技が始まるためだ。かつてセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)らを指導した名将パトリック・ムラトグル氏(フランス/56歳)も、この日程を「クレイジー」と痛烈に批判している。
24年のパリ五輪では、ウインブルドン終了からテニス競技の開幕まで約2週間の間隔があり、両大会ともに欧州で開催された。一方、28年はウインブルドン最終日の7月16日から3日後の19日に混合ダブルスが始まり、20日には男女シングルスがスタート。ウインブルドンで決勝まで勝ち進んだ選手には、大陸間の移動に加えて時差への対応、芝からハードコートへの適応、そしてコンディションの回復までを短期間でこなすことが求められる。
この日程について、ムラトグル氏は自身のインスタグラムで問題を提起した。
「2012年にセレナと仕事を始め、オリンピックでシングルスとダブルスの金メダルを獲得した時、我々には2週間の間隔がありました。今回は3日です。2028年のオリンピックのテニス競技は、ウインブルドン決勝の3日後に始まります」
そして3人のトップ選手の名前を挙げ、両大会に出場する難しさを指摘する。
「シナー、アルカラス、ノバク(ジョコビッチ)はどうなるのでしょうか? もし彼らがウインブルドンの決勝に進出したら、グランドスラムを戦った3日後に、ロサンゼルスでオリンピックのシングルスとダブルスに出場することなど、どうしてできるのでしょうか?」
さらにトップ選手が五輪を優先してウインブルドンを諦めることもないとの見方を示し、「彼らは『わかった、オリンピックに出るためにウインブルドンは諦めよう』と言うでしょうか? 誰もそんなことはしません」と主張。選手に準備期間を与えるべきだったとして、「これはクレイジーです」と批判した。
28年は全仏オープン、ウインブルドン、五輪まで、クレー、芝、ハードという異なるサーフェスの大会が続く上、欧州から米国への長距離移動も必要になる。現地では、米国勢やジョコビッチが五輪を優先してウインブルドン、あるいは芝シーズンそのものを欠場する可能性や、ウインブルドンの開催時期を前倒しする可能性にも言及されているが、現時点で具体的な動きは確認されていない。
2つの大舞台をどう両立させるのか。ただでさえ過密日程が指摘されるテニス界だが、28年の夏はスターたちに異例の難しい選択を迫ることになりそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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