
■“強烈なエゴイズム”を秘めた高校生たちの成長を描く「ブルーロック」
日本をW杯優勝へと導く“世界一のストライカー”を育成するために設立された強化施設「ブルーロック(青い監獄)」を舞台に、300人の高校生フォワード(FW)たちが己のエゴをむきだしにしながら頂点を目指す本作。原作漫画はサッカーという枠を超え、「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」という斬新な価値観を描き、読者を夢中にさせてきた。

個性豊かな登場キャラクターたちのなかでも、カリスマ的人気を博しているのが凪誠士郎だ。実写版では「&TEAM」のKが演じ、その再現度の高さが大きな話題となっている。そこで本稿では、Kと凪の共通項を紹介しながら、その“ハマり役”ぶりに迫っていきたい。
■天性のサッカーセンスを覚醒させた、“遅咲きの天才”凪誠士郎
凪は、サッカー歴わずか半年で「ブルーロック」に招集された“天才FW”だ。他人に興味がなく、なにをするにも「めんどくさい」が口癖。飄々としていて感情をあまり表に出さず、勝負への執着すら感じさせない一方で、天性のセンスを武器に「ブルーロック」でも屈指の実力者として異彩を放つ。
その最大の武器は、誰にも真似できない圧倒的なトラップ技術。どんなボールでも自在に操る卓越したボールコントロールに加え、190cmの長身としなやかな身体能力を生かしたプレーで、数々のライバルを圧倒する。

しかし、凪の魅力は、その天才的なプレーだけではない。東京の名門、白宝高校の同級生である御影玲王に誘われてサッカーを始めた凪は、「ブルーロック」で潔や数々のライバルと出会い、競い合うなかで試合に負ける悔しさを知り、サッカーのおもしろさに目覚めていく。天性の才能に加え、ストライカーとしての“エゴ”に目覚め、驚異的なスピードで成長していく姿も多くのファンを熱くさせているのだ。
■ビジュアルだけじゃない!凪とKの共通項を探る
そんな“進化を続ける天才”である凪を演じるには、ビジュアルだけでなく、キャラクターそのものをリアルに描きだす力が求められる。その大役に抜擢されたのが、グローバルグループ「&TEAM」のKである。まず目を引くのは、186cm超の長身と均整の取れたスタイル。どこか近寄りがたいクールな雰囲気は、凪が纏う空気感とも重なる。
高校時代は駅伝の強豪校に通い、陸上に打ち込んだというK。サッカーに親しんだ経験があるとも語っており、その運動能力は、実写版『ブルーロック』の見せ場の一つでもある凪のダイナミックなサッカーシーンに大きな説得力をもたらしている。
またKは、幾度ものオーディションやサバイバルオーディション番組に挑み、多くのライバルと競い合いながら25歳にして&TEAMのメンバーとして華々しいデビューを果たした、いわば“遅咲きのアーティスト”。大きな飛躍の舞台を得て、その才能を一気に開花させる姿は、「ブルーロック」で数々のライバルたちとの出会いを経て真のFWとして覚醒していく凪と通じるものがある。
本作で凪は、桁外れの実力者がそろう伍号棟最強チームである「チームV」の一員として、圧倒的な得点力を武器に、潔率いるチームZの前に立ちはだかる。アーティスト業のかたわら練習を重ねたKは、元日本代表の松井大輔のアドバイスをもとに“ボールに毎日触れること”を意識。真摯に凪に、そしてサッカーに向き合い続けたKは、持ち前の身体能力を生かしたプレーはもちろん、潔やライバルたちとの出会いを通して少しずつ変化していく凪の心情まで細やかに描きだしている。感情を宿さない無表情から、徐々に瞳の奥に静かな情熱の炎を灯し始める姿が印象的だ。
そんなKが演じる凪は、制作陣からも絶賛された。プロデューサーの松橋真三は、「凪誠士郎のキャスティングは難しすぎるので、凪誠士郎さんご本人にお願いすることにしました。というくらい、Kさん以外には考えられませんでした」と、凪というキャラクターの再現度を高く評価。さらに「サッカーの格好よさもさることながら、繊細な心の機微まで丁寧に表現されていて、この方に凪を託して本当によかった」と、その表現力にも太鼓判を押している。
ビジュアルだけではない数々の共通項を持つKだからこそ生まれた“実写版、凪誠士郎”。原作屈指の人気キャラクターがスクリーンでどのように覚醒していくのか、ぜひ劇場で見届けてほしい。
文/足立美由紀
