
「ウルトラ怪獣シリーズ 83 ダダ」(バンダイ) (C)円谷プロ
【画像】え、「こんな感じになるんだ」「かっこいい」「女性らしさが」コチラが髪の毛がない状態の水彩で描かれたダダ(成田亨の絵)です
ダダにはモデルが居た!そしてそのモデルにウルトラマンは……
『ウルトラマン』に登場した三面怪人「ダダ」は、実に不思議なビジュアルをしています。実は、「彼女」にはモデルになった人物がいました。
ダダの初登場は、『ウルトラマン』第28話「人間標本5・6」です。母星の上司より命令を受けたダダが、地球人の標本を採集していくというホラー、ミステリー要素が強いエピソードでもありました。
成田亨さんが手がけた、そのビジュアルは圧巻です。全身にはくまなく幾何学模様が描き込まれており、後年のデヴィッド・ボウイの衣装を思わせます。
さらに特徴的なのが頭部です。三面怪人という別名の通り、劇中のダダは一個体ながら三種の顔を持っているという特殊な設定が付与されています。
もともとはひとつの頭に3つの顔を持たせ、それを回転させるギミックを予定しましたが、造形の段階でそのアイディアは断念しました。結果として、ショートカットヘアを思わせるあの黒いパーツが顔の周りを覆うようになっています。
このショートカットヘア風の部分から、どこかダダは女性を思わせるデザインに仕上がっている背景には、このような経緯がありました。
ところが、話はここで終わりません。ダダのデザインは単に「女性っぽい」だけでなく、実際にとある特定の女性をモデルにしていた、というのです。
この話はウェブニュースメディア「集英社新書プラス」で、連載されていた『ウルトラマン不滅の10大決戦 完全解説』で語られています。
この連載は漫画家のやくみつるさんと、ウルトラマンのスーツアクター古谷敏さんが、劇中の格闘シーンの魅力を語り尽くす企画です。同連載において話が「ダダ」に及んだ際に、古谷敏さんが次のように語っています。
「ダダのマスクのモデル、ウルトラマンの美術を担当されていた、成田亨さんのお弟子さんなんですよ。」
このお弟子さんというのは、女性です。成田さんはダダのマスクをデザインする際に、その女性の髪型、そして口元をモデルにしていたといいます。古谷さん曰く、大変に魅力的な女性だったそうです。
たしかに、じっと眺めてみれば、ダダ(特にA)の顔の奥底には、素敵な女性の面影があるような、ないような……そんな気がしてきます。しかも、古谷さんはこんな秘話を明かしていました。
「僕にもよくしてくれました。心根の優しい人でしたね。もしかしたら、何かの拍子で付き合うことになったかもしれないなあ(笑)。」
衝撃です。最終的に濁していましたが、どうやら若き古谷さんはモデルとなった女性に惹かれていたようです。淡い青春の恋物語が、密かに進行していました。
もしかすると、ウルトラマンとダダが付き合う世界線があったのかもしれません。
参考書籍:『特撮と怪獣: わが造形美術』(成田亨)
