帰省ラッシュのお盆の時期は先祖の供養に訪れる人々で、各地の霊園や墓地が賑わいを見せる。実は墓地では供物や仏具、花立てといった金属類の盗難や、落書きといった悪質な行為が目立つのだ。
いや、それは欧米と比べれば、まだマシなものかもしれない。悪質行為という次元をはるかに超えた「猟奇的な墓荒らし事件」が、人々を震撼させているからだ。
その事件が起きたのは今年6月、ハンガリーの首都ブダペスト。現地の病院で患者搬送係として働く30歳の男が、地元警察に逮捕された。そしてこの男の自宅アパートから押収されたのは、捜査員を驚愕させる数々の物品だったのである。
加工された人間の顔の皮膚やスーツケースに詰め込まれた骨、瓶詰めにされた心臓、そして複数の頭蓋骨などが山積みに。男は「解剖学や病理学に情熱を傾けていた」と供述しているが、その実態は墓地などから遺体を盗み出し、収集するという極めて猟奇的なものだった。
さらに衝撃的なのは、男がそれらの一部を調理し、実際に食べていたと供述している点だ。現時点で殺人の直接的な証拠は見つかっていないため、警察では「人体の違法使用」容疑で捜査を継続中だと伝えられる。
掘り起こした皮膚や骨を使って家具や装飾品を作っていた
実はこのテの事件は決して特殊なものではなく、欧米では人骨や遺体への異常な執着を持つ者による「墓荒らし」がたびたび報告されているというから二重の驚きだ。
「実は今年1月にも、アメリカで霊廟や納骨施設をこじ開け、100点以上の頭蓋骨やミイラ化した四肢を自宅に隠し持っていた男が逮捕されています。この種の犯罪で必ず引き合いに出されるのが、1957年にアメリカで逮捕されたエド・ゲイン。墓から女性の遺体を掘り起こし、その皮膚や骨を使って家具や装飾品を作っていたのです」(オカルトジャーナリスト)
この奇行は映画「サイコ」や「羊たちの沈黙」のモデルになったが、彼ら人体収集家にとって、墓地は死者が眠る場所ではなく、自らの欲望を満たすための調達先にすぎなかったのである。
火葬が一般的となった日本では近年、墓を掘り起こすなどという悪質な事例はほとんどないようだが、それでもお盆の時期は「供物の盗難」や「金属狙い」が頻発する。
お盆に墓参りに行く際は、供物を放置せず持ち帰る、貴重品を車内に残さない、といった防犯対策を心がけたい。それが墓石の下で眠る故人を不届きな輩から守るための「危機管理」の第一歩となる。
(ジョン・ドゥ)

