
2023年に劇場公開された、TVシリーズの特別総集編『機動戦士ガンダム SEED スペシャルエディション HDリマスター』ポスタービジュアル (C)創通・サンライズ
【画像】サイかわいそうです…放送当時かなり物議を醸したキラとフレイのシーンです
視聴者から反感を買った理由とは…
2002年からTV放送された『機動戦士ガンダムSEED』(以下、『SEED』)及び2004年の続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(以下、『DESTINY』)では、さまざまなキャラクターたちが物語を動かしました。なかには、あまりにも身勝手な振る舞いや非情な言動などで視聴者に反感を持たれたキャラクターも少なくありませんでした。
そのひとり、『DESTINY』に登場した経済組織「ロゴス」の一員で、思想団体「ブルーコスモス」の盟主でもある「ロード・ジブリール」は、主人公のひとり「シン・アスカ」も所属する軍事組織「ZAFT(ザフト)」と敵対する「巨悪」として描かれます。物語の中盤以降は失策が目立ち始め、責任を仲間に転嫁しつつ、自分は安全圏で逃げ回るのでした。
また、月面に隠した大規模破壊兵器「レクイエム」で、複数の「プラント(コロニー)」を壊滅させるなど残虐非道な行為も目立ちます。
前作『SEED』で「ブルーコスモス」の盟主だった「ムルタ・アズラエル」が、戦争にビジネスを応用した価値観で優秀さを見せただけに、失策を振り返らないジブリールは彼と比較され、ファンから残念な扱いを受けがちでした。
中立国家「オーブ連合首長国」の権力者の青年「ユウナ・ロマ・セイラン」も、残念なひとりでしょう。国家の代表である「カガリ・ユラ・アスハ」と強引な政略結婚を推し進めたり、その場しのぎが多かったりするキャラクターでした。
そのハイライトは、自国の平和理念を破って戦争に加担しようとするオーブ軍に、カガリが停戦を呼び掛けた場面です。軍を率いていたユウナは自分の立場を危ぶみ、とっさにカガリを偽物ということにしてしまいます。
極めつけは物語の終盤で、逃亡するジブリールをオーブに匿ったことです。
物語の序盤でユウナは、前作『SEED』で中立を維持しようとしたオーブが他国から攻撃された経験から、他国と関わらずオーブに戦火を招くことを避けていました。
しかし、前述のようにザフトに追われるジブリールを匿い、その所在が明らかなのに隠し通そうとしたためユウナは泥沼に陥り、オーブはザフト軍から武力行使を受けてしまいます。
ジブリールやユウナに対する評はさすがに覆りそうにありませんが、一方で「ガンダム三大悪女」のひとりとして数えられることもある『SEED』の「フレイ・アルスター」は、近年になって少し風向きが変わっているようです。
主人公「キラ・ヤマト」の同級生で、政府高官の娘であるフレイは、父親の乗る艦艇がザフト軍の手によって撃墜されるさまを目の当たりにします。そこからザフト軍や遺伝子調整された人類「コーディネイター」への憎悪を募らせていきました。
復讐を果たそうとするなかで、キラの友人「サイ・アーガイル」という親の決めた婚約者がいたにもかかわらず、キラを利用するため同衾(どうきん)するといった言動が観る者の反発を生んだようです。しかし、放送から時間が経つにつれ、フレイの行為がキラの精神的な支えになっていたこともあり、復讐心からくるなりふり構わぬ行動は年相応の未成熟さとして受け入れられつつあるように見受けられます。
X(旧:Twitter)を眺めてみると、最近のポストでは「キラとフレイは、お互い未熟だからこそ傷つけあいながら惹かれていった関係だと思う」「フレイは戦争に巻き込まれた等身大の少女として大好き」といったポジティブな声も見られました。
