“バスケットボールの神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)は、歴代トップのキャリア平均30.1点を誇る希代のスコアラーとしてだけでなく、無類の負けず嫌いだったことで知られる。それは自分より年下の選手にも容赦なかったようで、殿堂入り選手のケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)が証言している。
1995年に高卒ながらドラフト全体5位指名でウルブズに入団したガーネット。2年目以降はオールスターの常連となり、リーグを代表するパワーフォワードの1人なった。
キャリア21年、数々のスターと対戦してきた中で、ワシントン・ウィザーズ時代のジョーダン(2001~03年)との対戦が記憶に残っているとポッドキャスト『KG Certified』で回想した。
「あれはワシントン・ウィザーズ時代のジョーダンとの試合だった。俺の叔母も母もジョーダンのことが大好きで、彼もそれを知っていた。一緒に写真も撮ったりしたことがある。
試合中、彼は俺に親しげに話しかけてきながら、その裏で俺をボコボコにしてきやがったんだ。ワシントンでのその試合、彼は俺から40点くらい取った」
ジョーダンとの会話に感激していたら、プレーでは容赦なく襲い掛かられたという。
「『お袋さんは元気か?』なんて聞いてくるから、俺は『うわ、ジョーダンが俺のお袋のことを気にかけてくれた』なんて思っていた。そしたら次の瞬間、スクリーンを使ってシュートを決められた。そこでようやく目が覚めたよ。『クソッ、こんなことしてちゃダメだ、彼と馴れ合っちゃいけない』とね。ジョーダンは余裕たっぷりだった。俺は完全にやられたよ」
ジョーダンにとって、2003年は最後のオールスター。ガーネットも対戦相手のウエスタン・カンファレンスのスターターとして出場していた。ダブルオーバータイムの末にウエストが155-145で勝利したが、ガーネットは「本当にクレイジーな試合だった」と振り返る。
「偉大な選手たちが次々と素晴らしいプレーを見せて、一進一退の攻防だった。ジョーダンはまさにジョーダンらしく振る舞っていたし、試合のストーリーもできあがっていた。終盤、コビー(ブライアント/元ロサンゼルス・レイカーズ)がファウルを受けた時、俺たちはみんなジャーメイン(オニール/元インディアナ・ペイサーズほか)を見て、『おい、これは同点にするチャンスだぞ』と思った。追いついた瞬間、完全に本気の勝負になった。
俺はヴィンス(カーター/元トロント・ラプターズほか)とマッチアップしたけど、誰も手を抜こうなんて思っていなかった。マイケルにとって最後のオールスターだったし、俺にとっても特別な意味があった。開催地のアトランタは地元の(サウスカロライナ州)グリーンビルから近かったし、家族も観に来ていたからね。すごく感慨深い時間だったよ」
ジョーダンの引退から20年以上が経過したが、今なお“神様”のエピソードは次々と湧いて出る。それもまた、彼の偉大さを物語っていると言えるかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

