阪神球団初の連覇のキーマンに成り上がってきたのが、元山飛優(ひゆう)内野手だ。巨人との天王山の初戦(8月11日・東京ドーム、9-1で阪神勝利)では6回の殊勲適時三塁打で、巨人の息の根を止めた。元山は「人生懸けてやっていますから」と気持ちを全面に出すコメントを出している。
2020年ドラフト4位でヤクルトに入団。「OBの宮本慎也に近づける逸材」として、背番号6を継承した。その後、2023年には西武へトレード。2季過ごした昨年オフに戦力外通告を受けた。そこで阪神に拾われたものの、開幕は2軍スタートだった。
そんな元山を藤川球児監督は後半戦に入って、遊撃の主力として全試合で起用している。
「元山が入ったことでチームに連携がとれるようになった、と話しています。下位打線だけでなく、上位の打順でも使われ、7月には代走での起用もありました」(阪神担当記者)
今や阪神の重要なパーツとなっているのだ。
昨年の前半戦は2位DeNAに9.5ゲーム差をつける独走状態だったが、今季は宿敵巨人と同率首位で後半戦に突入。藤川監督は我慢のやりくり采配を続けている。
「2学年下なんですけど、普通にタメ口」
阪神は1軍こそ優勝に近いが、2軍は火の車状態。今季から1リーグ3地区制へ移行したファームリーグで、阪神は西地区(ソフトバンク、オリックス、広島)で首位ソフトバンクに21ゲーム差をつけられる、ぶっちぎりの最下位である。
阪神が西武をクビになった元山をなぜ獲得したか。ファームの選手の実力不足と球団編成部の念入りな調査があったからだ。元山はまだ27歳と若く、内野ならどこでも守れるユーテリティープレーヤーぶりが評価されたといわれているが、別の理由もあった。
実は中野拓夢は東北福祉大時代の2年先輩にあたる。2018年には2人で二遊間コンビを組んで、大学日本一に大きく貢献。そこに目をつけた阪神がすぐに動き、元山を獲得した。
中野は元山について、
「2学年下なんですけど、普通にタメ口。とにかく明るい性格です」
と言えば元山は、
「阪神でも拓夢さんに引っ張ってもらいたい」
チーム編成と藤川監督のやりくり采配で巨人との8月天王山の初戦を快勝した阪神は、最短で15日にも優勝マジックが点灯する。
(小田龍司)

