3回に近本光司が先制ソロを放つと、森下翔太にも26号ソロが飛び出す。6回には前川右京が2点適時二塁打、元山飛優も適時三塁打を放ち、7回には再び森下が27回ソロ。そして9回、佐藤輝明が看板直撃の特大24号2ランで、巨人を9-1と圧倒した。
豪快な本塁打が目立つ8月11日の試合だったが、試合の流れ決める上で大きかったのは、近本の先制本塁打だ。投手戦の予感が漂う中、チームを首位攻防戦の重圧から解放し、打線に火をつけるきっかけとなる一打だった。
近本は8月9日の中日戦(京セラ)から2試合連続の本塁打。本来、長距離打者ではない近本が本塁打でチームに勢いをもたらしているが、その背景には打撃フォームの改造があると、阪神OBの濱中治氏が指摘している。
4月26日の死球で左手首を骨折して離脱し、7月11日に1軍復帰。その間、打撃フォームを変更したことで、構えた時のバットと右足の角度が変わったとされる。
8月12日の「おはよう朝日です」(ABCテレビ)に出演した濱中氏は、4月26日と復帰後の8月11日の映像を見比べ、次のように指摘した。
「4月は(構えた時に)ヘルメットの前にバットのヘッドがある。昨日(8月11日の試合)はバットのヘッドがヘルメットの後ろにあって、ぜんぜん違う。今の方がよりスムーズにバットが出やすくなっている。シーズン中に(フォームを)変えるって、むちゃくちゃ勇気のいること。1軍に帰ってきた当初はそこまで調子が上がらなかったんですけど、今ようやくなじんできたかな、というバッティング」
理由を尋ねる質問に「毎日、変わってる」
ケガの功名でパワーアップしたともいえそうだが、実は近本自身もフォーム改造について、8月10日に更新した自身のポッドキャストで触れている。
リスナーからの「復帰後にフォームを変えた理由を聞きたい」との質問に、近本は「バレた?」と笑いつつ、
「毎日、変わってる。2カ月半、間隔が空いて、その間の変化を知らないから急に変わったと思ってるだけ」
ややはぐらかし気味だったが、フォーム改造は認めているのだ。
「近本の調子が上がると、最強のクリーンアップなんで、得点力はかなり上がると思う」
濱中氏はそう話していたが、阪神にとってリードオフマンがどれだけ大きな役割を果たすかが、連覇の大きな鍵となりそうだ。
(鈴木十朗)

