開幕から首位争いを演じていたヤクルトが急降下し、8月11日の試合を終えて3位・DeNAに1.5ゲーム差の4位に。5位・中日、6位・広島の後ろ姿がはっきりと見えてきた。
そんな状況下で実績十分の投手が、ファームで燻り続けている。メジャーリーグ挑戦は失敗に終わったものの、阪神在籍時の2021年、2022年に最多勝タイトルを獲得した青柳晃洋だ。
春季キャンプ中に右ハムストリングを痛めてファームに落ち、調整を続けているが、ここまで15試合に登板して5勝6敗、防御率4.34の成績しか残していない。8月9日のオリックス戦(杉本商事バファローズスタジアム舞洲)では先発して7回110球を投げ、5安打8奪三振だったものの、5四死球が響いて3失点。本来の力を発揮できず、即1軍昇格とはならなかった。
「かつての青柳と比べると、まだまだですね」
と話すのは、スポーツ紙遊軍記者だ。
「奪三振率と被本塁打率は阪神時代のいい時と比べて遜色はないのですが、与四球率がね。2022年は1軍で1.77だったのに、今季はファームで3.92。1試合で平均4個の四球を出している計算になります。今季は自らの四球でランナーをため、その後に痛打されるパターンが続いている。丁寧にコーナーをつき、ゴロを打たせるのが持ち味なのに、ストライクが入らなくては話になりません」
これまでの中6日ペースでの登板なら、次回は8月16日の楽天戦(戸田)あたりが有力だが、そこで完封劇でも演じない限りは、1軍へのお呼びはかからないだろう。前出の遊軍記者は今後について、
「まずまずの投球をあと2、3試合続けて、9月の拡大枠になんとか入れるかどうかですね。日程が詰まってくるし、バックアップ要員として滑り込めれば御の字です」
被本塁打率の低さがプラスになるかも…
普通に考えれば、今季1軍での登板がなければ現役続行が危ぶまれる状態だが、意外に立場は安泰なのだという。その裏事情を明かすのは、球団関係者だ。
「青柳の年俸が5000万円と安いのが幸いしています。このままなら来季は20%ダウンの4000万円程度。2022年には投手3冠に輝いている実績と32歳という年齢を考えれば、この額で復活してくれれば安いものです。被本塁打率が低いのが、プラスになるかもしれません。なにしろ狭い神宮球場が本拠地ですからね」
捨て値で命拾いというわけだが、昨年途中にチームに加わっており、今季は「実質1年目」。
「選手に優しいヤクルトなら、もう1年は面倒を見てくれるでしょう」(前出・遊軍記者)
優勝争いを繰り広げる古巣に復帰していれば、今季の成績ならクビになっても不思議ではないが、日本球界復帰に際しての選択は間違っていなかったようだ。
(阿部勝彦)

