人気商品の発売日には抽選販売が行われ、再入荷しても短時間で完売することがあるポケモンカード。
学校を終えた子どもたちが店を訪れても、すでに商品がなく「やっぱりないか…」と諦める姿も見られていたといいます。
こうした状況を受け、トレーディングカードショップ「竜星のPAO/PAO」を展開する株式会社AZismは、8月1日・2日に「小中学生限定販売枠」を実施。
「本来カードで遊びたい子どもたち」へ商品を届けるために始めた取り組みについて、同社 第3事業部 スーパーバイザーの安部勝俊さんにお話を伺いました。
地域に根ざしたトレーディングカードショップ「竜星のPAO/PAO」
株式会社AZismが運営する「竜星のPAO/PAO」は、ポケモンカードをはじめとした各種トレーディングカードやテレビゲームを取り扱う専門店。

店舗では新品・中古カードの販売や買取だけでなく、カードゲームの大会やイベントなども実施。
なかにはゲーム専門店だった時代から数えて20年以上にわたり営業を続けている店舗もあり、長年にわたって地域の利用者に親しまれてきました。
安部さんによると、店舗運営で大切にしているのは、単に商品を売買するだけではなく「ここに来ると楽しい」と感じてもらえる場所をつくること。
初めてカードショップを訪れる子どもや保護者でも利用しやすいよう、スタッフによる声かけや分かりやすい案内などにも力を入れています。
特に子どもが安心して遊べる環境づくりを重視しており、初心者向けの遊び方の説明や、親子で参加できる大会・体験会なども今後さらに増やしていきたいとのこと。

「保護者の方から『あそこなら子どもを安心して行かせられる』と思ってもらえる店舗にしたい。」
と安部さんは話します。
こうした“地域の遊び場”としての店舗づくりを続けるなかで、近年、現場ではある課題が目立つようになっていました。
それが、人気のポケモンカードを「本当に遊びたい子どもたち」が購入しにくくなっているという状況です。
学校帰りには「もうない」子どもたちがポケモンカードを買いにくい状況に
今回、小中学生限定の販売枠を設けるきっかけとなったのが、本来ポケモンカードで遊びたい子どもたちに商品が届きにくくなっていたことでした。
ポケモンカードは子どもだけでなく、現在は大人のコレクション需要や二次流通市場への関心も高まっており、人気商品の発売日には抽選販売となるケースも少なくありません。
再入荷時にも多くの人が来店し、短時間で完売してしまうことがあるといいます。
特に小学生の場合、商品の発売時間に合わせて店舗へ足を運ぶのは簡単ではありません。
ポケモンカードの新商品は金曜日に発売されることが多く、学校がある時期は授業を終えて一度自宅へ戻ってからお店に訪れる必要があります。
そのため、ランドセルを置いて店へ到着した頃には、すでに商品が売り切れていることもあったのだそう。
安部さん自身も店頭に立っていた際、子どもたちが真っ先に新品商品のコーナーへ向かい、商品がないことを確認して「やっぱりないか…」と口にする姿を何度も目にしたそうです。

「『あるかな』と期待して店へ来るというより、最初から半分諦めながら確認しに来ているように見えたこともありました。」
と、当時の状況を振り返った安部さん。
また、現在はポケモンカードの販売でインターネットを利用した抽選を行うケースもあり、そうした仕組み自体が子どもにとって参加しづらい要因になることもあるのだと説明。
こうした現場の状況を受け、一般の購入者への販売機会をなくすのではなく、入荷した商品の一部を子ども向けに確保して「遊びたい子どもたちにも購入できる機会をつくれないか」と考えたことが、今回の取り組みの出発点となりました。
約600人の子どもが購入!小中学生限定販売枠に「あるじゃん」の声
こうした状況を受け、AZismでは2026年8月1日・2日の2日間、対象店舗でポケモンカードの「小中学生限定販売枠」を実施しました。

販売時間は12時から17時まで。
より多くの子どもたちが購入できるよう、購入数を1人3パックまでとし、並び直しは禁止としました。
小中学生を対象とすることも店頭POPなどで明確に案内し、中学生については学生証の提示を条件に販売したといいます。
また、今回は抽選制ではなく、対象となる子どもが店舗へ来れば購入できる仕組みを採用。
安部さんは、

「3パックであれば、想定した人数が来店しても賄えるという数字を各店で持っていました。今回は抽選にせず、来店したら買える形にしました。」
とコメント。
その結果、8月1日・2日の2日間で、対象店舗全体では約600人が商品を購入。近隣に小学校がある八王子・PAO堀之内店では約80人、町田の竜星のPAO多摩境店では約60人が利用するなど、特に郊外の店舗で多くの子どもたちが訪れました。

大きな混乱やトラブルもなく、概ね想定通りに実施できたとのことです。
何より印象的だったのが、商品を見つけた子どもたちの反応だったと安部さんは語り、
「店舗からは、ポケモンカードを見つけた瞬間に『あるじゃん!』『ヤバい!』と声を上げる子どもらしい反応や、『買えるんですか?』と驚いたりする子どももいたと聞いています。保護者の方からも『あちこち探したけれど買えず、ようやく買えた』といった喜びの声が寄せられ、その横で低学年くらいのお子さんがすごくはしゃいでいたという報告もありました。」
と、実施当日の様子を教えてくれました。

「お子さんの反響は非常に良かったと思います。やった内容としては、非常にやってよかったと捉えています」と語る安部さん。
学校帰りに売り場へ駆けつけても「やっぱりないか」と諦めていた子どもたちが、今回は実際にカードを手にすることができました。

子どもたちの素直な喜びの声は「本来遊びたい子どもに商品を届けたい」という今回の取り組みの意義を、改めて実感させるものとなったようです。
「今回は7月31日に新品の発売がありまして、一般のお客さまにはこれまで通りの抽選販売などの購入機会を用意し、その上で別途、子どもたちに購入機会を作りました。現時点で本施策についてのトラブルなどもなく、子どもたちに商品を届けるという目的には一定の意義があったと考えていますので、8月中は在庫状況を見つつ、日曜日に実施する方針で動いています。」
と、今後も継続して小中学生限定販売枠を設ける考えを示した安部さんは「やっていて良かったと思える、ほっこりする状況でした」と今回の取り組みを振り返りました。
最後に安部さんは、
「カードゲームはカードを集めるためにお金がかかるイメージがあるかもしれませんが、ルールを覚えたり相手の行動を考えたり、自分でデッキを組み立てたり、対戦相手と挨拶をしたりすることで『考える力』や『コミュニケーション』につながる面が多くあります。また、友達や家族と同じものを楽しんで思い出を作れる遊びでもあると思います。店舗側としてもお子様たちが安心して楽しめるよう、わかりやすい説明と適切な販売、安心できる店内環境に努めていきます。どんな店か安心できない場合は一度見に来ていただけると嬉しいです。」
と語り、保護者の方が安心して子どもを送り出せる、地域の遊び場として店舗運営を今後も続けていきたいとコメントしました。
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