腕時計は小さな道具だけれど、その中には意外なほど多くのデザインが詰まっている。針の形、インデックスやダイアルの種類──違いを知るだけで、時計を見る目は少し変わるはず。クラシックな1本を選ぶ前におさえておきたい、時計の基礎知識を身につけよう。
まず覚えたい3つのムーブメント
手巻き

リューズを回すことによりゼンマイを巻き上げる仕様で、1930〜40年代ごろのものに散見する。
自動巻き

時計を着けた腕が動くことで内部のローターが稼働し、その力でゼンマイが自動的に巻き上げられる。
クォーツ

70年代に爆発的な早さで流通した電池式で、製造コストを大幅に削ることに成功。高精度で扱いやすい。
各部の名称


ベゼル
ケースの最も外側にくるパーツのことで、様々な機能やデザインが存在し、同時に風防を固定する役割も兼備する。主にスポーツモデルなどに搭載されるパーツ。
ハンド
時間を指し示す部品。秒針の普及は19世紀以降のことで、一般的な素材は真鍮だが、クォーツには軽いアルミ、高級機には重い貴金属素材が使われる場合が多い。
セコンド
秒針を指す名称のこと。スモールセコンドやセンターセコンドなどの種類が存在する。近年では“スモセコ”に比べ、複雑な機構を持つ“センセコ”が主流である。
インデックス
文字盤上に配置された、時刻を表す目盛り。ローマ数字、アラビア数字、バー、ドットなど種類はさまざまで、プリントや植え字など、仕上げによっても印象が変わる。
ベルト
デザインや、素材の種類が多く、値段も比較的安価なため、ファッション感覚で交換できる。基本的に消耗品扱いだが、メーカー純正のベルトの場合は付加価値が付く。
ラグ
ケースに溶接することで取り付けられる、ウォッチベルトを装着するパーツのこと。本来バネ棒やFIXバーのことだが、角状のものをラグと言う場合も多い。
ダイアル
時計の顔ともいえる金属製の板のこと。インデックスと同義にされることが多いがダイアルは一般的にアワーマークを含まない。旧い年代には陶器製の素材も見られた。
リューズ
手巻き式のムーブメントのゼンマイを巻き上げるため、または、時分針を合わせるための部品。内部に直結するため、水分の侵入には細心の注意を払う必要がある。
風防
文字盤の上にかぶせる蓋代わりのパーツ。ヴィンテージ時計ではプラスチック素材が多いが、1970年代を過ぎると透明度や硬度が高い、ガラス製も普及する。
バックケース
裏蓋。ミリタリーによく採用されるねじ込み式や、プレスする形で裏蓋を閉める押し込み式がある。品番やシリアルナンバーが記載されていることが多い。