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8月10日、荒れ果てた下北沢が「過去最悪の光景」と物議 住民は「もう来ないで」と怒り

8月10日、荒れ果てた下北沢が「過去最悪の光景」と物議 住民は「もう来ないで」と怒り

下北沢駅

インターネットのノリを現実世界に持ち込むのは、多くの場合が悪手である。

現在ネット上では、毎年恒例となった8月10日(野獣の日)の悪しき風習をめぐり、疑問と怒りの声が相次いでいるのだ。

■「野獣の日」って何だ?

「野獣の日」とは、「淫夢」の略称で知られるコンテンツ内のインターネットミーム「野獣先輩」にちなんで誕生した記念日。「野獣」の語呂合わせとして、8月10日がその日とされている。

同日は同ミームの聖地・東京都世田谷区の某所に熱狂的なファンが押しかけ、歌を歌ったり、交流を深めたり、午前11時45分14秒に聖地とされる建物を指差し、決め台詞を叫ぶのが恒例行事となっている。

文章にすると微笑ましいオフ会を想像するかもしれないが、現実は「醜悪」の一言。「近所迷惑」という言葉では生ぬるいレベルの騒音が生まれ、卑猥な言動や乱闘騒ぎによる騒動が毎年問題視されているのだ。

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■道端で奇行に走るネット民続出清掃完了後の東北沢駅画像提供:最上えまのさん

中でも今年の野獣の日、現地の様子は正に醜悪を極めていた。

X上には、小田急線 東北沢駅の前の地べたで寝転がって奇声を上げたり、建物周辺の公園を集団で占拠して電信柱に上ったり、公衆の面前で卑猥な言動に及んだり、車のクラクションを無視して道路に大きくはみ出る集団や、これらに対し出動する警察官を収めた映像が多数投稿されている。

こうした現地の状況を受け、Xユーザーからは「気持ち悪すぎる」「家でやれ」「日本人のモラルの無さにガッカリです」「全員逮捕で良いよ」「何が面白いんだこいつら」など、非難の声が相次いでいた。

しかし、こうした惨状にネットユーザー以上の怒りを覚えている人々がいる。そう、現地の住民たちだ。

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■現地住民は「道路を通るのが困難」

今回は現地の様子について、聖地から徒歩数分圏の場所に住んでいるアパレルブランドプロデューサー・伊藤ルナさんに詳しい話を聞いてみる。

当日の11時45分14秒、出勤のため聖地から20mほどの距離にいた伊藤さんは「多くのネット民が大挙しており、去年よりも遥かに多い人数でした。聖地から半径30mほどの道路には、道路を通るのが困難なほどのネット民が集まっており、車が通行できないレベルでした。数人の警備員と警察の方々が見えましたが、上手く対処はできていない様子でした」と、振り返る。

数十秒前からカウントダウンの歓声が上がり、事情を知らない住民が「何があったのか」と自宅の窓から眺めている様子が見て取れたという。

そして11時45分14秒を迎え、ネット民が「ここー!」と一斉に声を上げるや否や、騒音はさらに酷くなっていく。集団はその後も現地に居座り続け、少なくとも伊藤さんが通り過ぎるまで人数が減ることはなかったのだ。

伊藤さんは「周辺には公園がいくつかあるのですが、そこにもネット民たちが集まっており、住民が全く使えない状態でした。住民でもない人間たちが公園で騒ぎ続けていたら、怖くてとても利用できません」と、住民たちの気持ちを代弁している。

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■通学路に卑猥な張り紙を…

しかし、現地での問題行為は上記だけに収まらない。

伊藤さんは「ネットミームや、特定の人物を揶揄したり中傷する張り紙やシールが、数年前から内容を変えて周辺に貼られ続けています。今回の騒動に関連するネットミームの動画のスクリーンショットらしきものを印刷して公園や看板、電柱に貼っていました」と、説明している。

伊藤さんとその友人・ゲームディレクターの最上えまのさんはこうした行為に憤りを感じており、オタク仲間の知人数名と、街の清掃を行っているという。

活動開始の発端は2021年8月10日、伊藤さんと最上さんが聖地付近を歩いていたところ、公園に砂のイタズラと当該ネットミームに関する張り紙らしきものを発見したことに遡る。

野獣の日の公園画像提供:伊藤ルナさん

伊藤さんは「子どもが遊ぶ場所にこのような卑猥なものを残していなくなる人たちに強く憤慨し、2人で全て片づけたのが始まりです。その翌年も2人で周辺を見回ると同じようなゴミが落ちていたため、『これはもう毎年、近隣の住民や子供の目に極力触れないよう、我々が掃除をするしかないな』と決めました」と、当時の様子を振り返っていた。

今年は5名で清掃を行ったそうで、伊藤さんは「年々、聖地に集まる人々が増えているので、イタズラの数は増えておりますし、単純に近隣への迷惑が大きくなっております。とても安心して子供達を歩かせられないような日になっております。以前には自殺未遂者がいたり、逮捕される人もいましたが、今年は特に警察沙汰の件数が多かった印象です。そういった点で、今年は特に酷かったなと感じました」ともコメントしている。

(現地の様子について、警視庁に確認中)

インターネットのノリを現実に持ち込んで大騒ぎするのは、非常に愚かな行為。そしてその様子を動画に収められ、インターネットの海を一生漂うこととなる意味を、淫夢厨は理解しているのだろうか。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ
配信元: Sirabee

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