
本作は英語版、台湾版、韓国版、タイ版、ベトナム版、ロシア版も出版される藤まるによる同名小説を『366日』(24)の福田果歩による脚本、ドラマ「美しい彼」シリーズや『ストロベリームーン 余命半年の恋』(25)の酒井麻衣が監督を務めて映画化した感動作。主演の西畑、福本のほか、渋谷凪咲、齋藤潤、泉谷星奈、佐津川愛美、山口馬木也、小澤征悦らが名を連ね、HYの書き下ろし楽曲「心海」が主題歌に決定している。
本作で描かれるのは、未練を残したまま死んだ者に与えられる人生の「ロスタイム」。それは、死の事実がなかったことにされた世界で、もう一度だけ日常を生きられる最後の時間。そんな死者たちの心残りに寄り添い、あの世に導くことが死神の仕事。父が起こした事件をきっかけに希望を失って暮らす大学生の佐倉真司(西畑)と、彼を死神のアルバイトに勧誘する天真爛漫な同級生、花森雪希(福本)が、死神バディとして死者たちの想いを見届ける。
「感情の機微を丁寧に表現できる」という演技力への絶大な信頼から佐倉役に選ばれた西畑。その言葉どおり今回解禁された場面写真には、福本演じる花森と探偵のようなコミカルな表情を見せる一面がある一方、複雑な事情を背負い少し悲しげな笑顔を見せる一面もある佐倉を繊細に演じ分けていることが伝わってくる。

監督の酒井は、なにわ男子のデビュー前からライブの幕間映像やMVで西畑とコラボレーションを重ねていて、芝居に向き合う彼の真摯な姿勢に注目していたという。「自分の限界を超えたとき、西畑さんはどんな芝居をするんだろう」という思いは、本作でようやく叶うことになった。なかでも酒井が強く印象に残っていると語るのが、佐倉がとある真実を知ったあとのワンシーン。西畑は、言葉にならない感情を抱えながら静かに涙を流す。ワンカットで撮影された芝居は、大きく感情を爆発させるのではなく、どうすることもできない悲しみがじわりとにじみ出る。彼の表現力が光るその演技は、監督の目にも強く焼き付いたという。
俳優としても話題作への出演が続く西畑。彼の熱演を『時給三〇〇円の死神』で堪能して!
文/スズキヒロシ
