8月16日、夏競馬唯一のGⅡ戦である札幌記念(札幌・芝2000m)が行なわれる。今年は重賞ウィナー10頭が顔を揃えたものの、GⅠホースは不在というメンバー構成。上位の実力はかなり近接しており、距離適性はもちろんのこと、北海道シリーズ特有の洋芝に対する適性も結果を左右するだろう。
人気を集めそうなのは、今年の阪神大賞典(GⅡ)をレコード勝ちしたアドマイヤテラ(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)。菊花賞(GⅠ)で3着に入り、昨春は目黒記念(GⅡ)で重賞を初制覇。5歳になった今年は前述のように阪神大賞典で2着に3馬身差を付ける圧勝を飾ったのち、天皇賞(春)(GⅠ)では勝ったクロワデュノールから0秒1差の3着に食い込んで名うてのステイヤーとしての実力をあらためてアピールした。
菊花賞以降は2400m以上の距離に特化した使い方をされており、3歳の新馬戦、1勝クラスで2000mを勝ってはいるものの、やはり久々の2000mは距離適性の面でやや不安を残すのは確か。そしてアドマイヤテラにとって今年の札幌記念は、フランスの凱旋門賞(GⅠ)挑戦のステップレースとしての出走となることも重要な検討ポイント。友道厩舎が中途半端な状態でレースを使ってくるとは思えないが、一方で海外遠征を控えて目一杯の仕上げで臨むと考えるのは難しい。能力の高さを認めつつも、今回はその点を考慮して対抗評価としたい。
本命に抜てきしたいのは、重賞未勝利ながら馬場適性に関して血統的な魅力にあふれるサクラファレル(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。本馬は2000m戦で2戦2勝。洋芝適性も北海道で2戦2勝(札幌と函館で各1勝)とデータ的には推し材料にこと欠かない。そして血統を見ると、母サクラレーヌの半兄であるサクラプレジデントは2002年の札幌2歳ステークス(GⅢ)、2003年の札幌記念を制しているのが目を引く。また本馬の半姉サクラユニヴァース、半兄サクラトゥジュール(現役)がともに札幌の芝で勝ち鞍を挙げている。サクラファレルは重賞未勝利だが、前走であるエプソムカップ(GⅢ)の5着は勝ち馬から0秒3差に健闘しており、前述した血統的な馬場適性の高さをもってすれば、キャリアのビハインドは克服できると見て本命に推したい。
3番手に挙げたいのは、7歳の春にして重賞初制覇を遂げたグランディア(せん7歳/栗東・中内田充正厩舎)。気性の難しさで出世が遅れ、去勢してからもなお安定した結果が残せなかったが、昨年12月のディセンバーステークス(L)で2着に入ってから一変。次走の中山金杯(GⅢ)で勝ち馬とタイム差なしの3着に入ると、続く大阪城ステークス(L)でも2着。そして5月の新潟大賞典(GⅢ)では、直線8番手から一気の末脚で差し切り勝ち。ようやく重賞タイトルに手が届いた。7歳という年齢が気になるかもしれないが、香港の強豪が高齢まで活躍していることをみても分かるとおり、せん馬はベテランの域に入っても能力が減衰しにくいのが特徴。本格化したいまなら、GⅡの舞台でも好戦が可能だと見ての3番手評価である。
4番手以下で挙げておきたいのは3頭。昨年の日本ダービー(GⅠ)の3着馬で、今春のアメリカJCC(GⅡ)を快勝したショウヘイ(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)。大阪杯(GⅠ)は10着に大敗したが、立て直しての札幌記念参戦で、休養明け実績は〔2・1・0・0〕とパーフェクト連対を果たしている。中日新聞杯(GⅢ)、金鯱賞(GⅡ)と二つの重賞を切れ味鋭い末脚で追い込み勝ちしているシェイクユアハート(牡6歳/栗東・宮徹厩舎)。宝塚記念(GⅠ)の14着大敗は不得手な重馬場の影響によるものだろう。直線が短い札幌でレース運びは難しくなるだろうが、早めのスパートに活路を見出したいところ。一昨年の札幌2歳ステークスを制しているマジックサンズ(牡4歳/栗東・須貝尚介厩舎)は、昨年のNHKマイルカップ(GⅠ)でアタマ差の2着に入っている実力馬。前走の函館記念(GⅢ)では直線10番手から0秒4差の5着まで追い込んでおり、重賞制覇を成し遂げた札幌に舞台を移して前進が見込める。
詰めの甘さが目立つローシャムパーク(牡7歳/美浦・田中博康厩舎)、大敗が続くホウオウビスケッツ(牡6歳/美浦・奥村武厩舎)、ノドの手術明けになるエコロヴァルツ(牡5歳/栗東・牧浦充徳厩舎)は過去実績よりも不安材料のほうが大きく、今回は無印とした。
文●三好達彦
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