
「えっ、マジか」森保一監督から想定外の逆質問。「良い守備から良い攻撃」に込められた真意とは?
まさに想定外の出来事だった。森保一監督から逆質問されるとはまるで予期していなかっただけに、カウンターパンチを食らった気分だった。
8月14日の東京ヴェルディ対柏レイソル戦後の囲み取材でのことだ。
自分の質問はこうだった。
「『良い守備から良い攻撃』に加え、新たなコンセプトを考えていますか。先のワールドカップの他国の試合をご覧になって、思うところもあるかなと」
すると、森保監督は「特に考えていません。守備の強度をもっと上げていきたいです」と答えつつ、いきなりこちらに問いかけてきた。
「『良い守備から良い攻撃』から何を連想されますか」
正直、「えっ、マジか」という感じだった。突然の逆質問に頭の整理がつかないまま、とっさに「速攻」と答えると、森保監督は「ですよね。でも、そういうことではない」と返した。
「速攻という意味で言っているわけではないです。局面での競り合い、本質的なところを勝たないと、ボールは保持できないと。ワールドカップ基準の強度でボールを奪って、そこから攻撃を仕掛ける」
「言葉にするのは難しいですが」と断ったうえで、森保監督は続けた。
「良い守備から良い攻撃は遅攻にも当てはまります。前線から、ミドルブロックから、ローブロックから奪う戦い方も含め、全てレベルアップしないといけない。引いて守るわけではなくて、奪う力を日本はもっと上げないといけない。そうすれば、技術力も高まると考えています」
ポイントは、攻撃のスピードではない。局面の競り合いで負けず、世界基準の強度でボールを奪うこと。それが速攻にも遅攻にもつながり、攻撃の質そのものを高めていく。森保監督が「良い守備から良い攻撃」という言葉に込めているのは、そういう意味なのだろう。
実際、北中米ワールドカップを振り返り、森保監督は攻撃面には手応えを感じていた。
「オフェンスのバリエーションは悪くありませんでした。もちろんブラジル戦に限れば複数の課題を突きつけられましたが、チュニジア戦は自分たちがやろうとしていた形で多くのチャンスを作り、ゴールを奪い、無失点で終えられた。さらにレベルの高い相手にも同じようなことができないといけない」
攻撃のバリエーションはそれなりにできていた。だからこそ、今後はオフェンスにつなげるための“ボール奪取力”が、ひとつのポイントになるのだろう。
森保監督から思わぬ逆質問を受けたことで、その言葉に込められた真意が、よりクリアになった気がした。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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