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開幕から2戦連続ドロー&計3失点。「相当悪いとは思わない」「積み上げられているモノもある」川崎の現在地はどう捉えるべきか

開幕から2戦連続ドロー&計3失点。「相当悪いとは思わない」「積み上げられているモノもある」川崎の現在地はどう捉えるべきか


[J1第2節]川崎 2-2 京都/8月15日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

「勝ちたいゲームではありますが、そういう展開になって負けていないのは、前節も話しましたが、相当悪いとは思いません。そういう意味では良くはないので、良いチーム、強いチームになるには、勝ちにもっていけるように、そのためには追加点が必要ですし、簡単な失点と言いますか、分かり切ったなかで取られているので、そういうところを変えていかなくてはいけません」

 長谷部茂利監督がそう振り返ったように、川崎はホーム開幕戦で京都と対戦するも、試合終了間際に追いついたアウェーでの開幕戦・東京V戦(△1-1)に続いて、2試合連続のドロー。前半に先制に成功したが、後半に連続失点。60分に追いついたとはいえ、勝ち越し弾は奪えなかった。

 指揮官の言葉どおり「悪いというわけではない」状態だが、勝ち切れない。もどかしさが残る現状と言えるのだろう。

 2025年シーズン、半年の百年構想リーグに続き、長谷部体制で新シーズンに臨んでいる川崎は、ヘッドコーチにレジェンドの中村憲剛を入閣させ、フィジカル面を担当するストレングス&コンディショニングコーチには浦和に在籍し“テックさん”の愛称で親しまれたヴォイチェフ・イグナティウクを招聘。3人のブラジル人新助っ人も加え、小さな変化を加えながら、プレシーズンでは後方からのビルドアップ、走力、引き続きの守備強化などの準備を進めてきた。

 そのなか、東京V戦の前半のように、京都戦の前半も、後方からのビルドアップは円滑になっており、4-2-3-1の山本悠樹、橘田健人のダブルボランチ、トップ下の脇坂泰斗が上手くポジションを取りながらCBやSBからボールを引き出し前進。守備に移れば、CFラザル・ロマニッチとともに、脇坂が良いスイッチ役となり、相手のビルドアップを阻んだ。

 左SB三浦颯太の高速クロスをロマニッチが押し込んで1-0で折り返した前半は、相手が負傷者を早々に出し、「アレックス(・ソウザ)が怪我をしたというアクシデントもありましたし、追い方の部分で少し上手くいっていない、ハマっていない部分があった」と京都のランコ・ポポヴィッチ監督が語った面はあったにせよ、川崎が主導権をしっかり掴み、本音ではチャンスをしっかり決め切り、さらなるリードを得たかった展開であった。

 しかし、90分を通じて安定できないのが今の川崎である。54、58分にまさかの連続失点。直後にアリークロスに飛び込んだマルシーニョが決めて同点に追いついたとはいえ、もどかしいドローとなった。脇坂も振り返る。

「サッカーっていうスポーツはやっぱりゴールを取る、取られないで勝敗が決まるので、単純にそこが僕ら足りなかったと思います。ただ、そこまでの過程を度外視して、両ゴール前にフォーカスするってやり方をしているわけじゃないので、そこに至るまでの安定度っていうのは、百年構想リーグよりは、積み上げられているモノもある。

 一方で、最後のゴール前の枚数だったり、サポートの質、シュートを打つ味方に対してのサポートの質、相手を引きつけて1対1にさせてあげる部分など、単純な質、あとは守備の時のゴール前の質だったり、そこの前の五分のボールだったりは大事なところなので、そこが足りなかったから、今日は勝点3を取れなかったと思います」

 攻撃の質という面では、個々のレベルアップも必要だと、脇坂は続ける。

「やっていることを出せているシーンは多いですし、チャンスは増えてきています。ただ、そこは個人で練習するところもひとつで、あとはラストパスをどっち足につけるか、どのタイミングで出すかという面はもっとこだわれるし、そこで優位性をとっていく必要があるのかなと思います。

 今日も単純に決め切らないといけないシーンは僕自身もありましたし、チームとしてもあったので、そこで決め切ることができると、2点、3点とリードが広がり、相手がより前に出てこないといけなくなり、この暑い中で走らせることができる。そうすると、より後半に余裕を持って戦える状況になります。

 そうすると、この前のヴェルディさんもそうですし、後半の頭で、勢い、ギアを上げてきた相手を裏返すことができ、より相手にボディーブローのように利かせることができると思うので、単純に得点は一番自分らにとって大事だなと感じていますし、それができるともっと優位性を持って進められる手応えは掴みつつあるので、またどんどん試合が来るので、次の試合で勝点3取れるようにやっていきたいです」
 脇坂のポジティブな言葉もあるなか、後半開始直後に失点した東京V戦に続く、淡白な守備から2失点した面は、やはりいただけない点だろう。京都はハーフタイムで2枚のカードを切り、そのボランチの尹星俊に中盤でパスを回され、サイドハーフに入った奥川雅也にもリズムを作られた。失点シーンの問題点を脇坂はこう説明する。

「後半はプレスをかける位置のところで、マイプレ(前線からのプレス)以外のところ、マイプレはみんなでプレスをかけに行っているんですけど、ミドルサードだったり、ちょっと構えるポジションになった時に、相手には強力なFWがいる分、後ろの選手たちの掴み取らないといけない気持ちも理解できました。

 そこで自分だったり、ロマ(ニッチ)、(伊藤)達哉、マルシーニョが前半は上手く制限をかけれたのが、後半は少し、10回に3回ぐらい間を通されてしまい、バイタルで相手がフリーになってしまうシーンがあったので、それをチームとして合わせる必要があったのかなと思います。

 2失点目も、(相手)CBに(川崎の)ウィング(サイドハーフ)が出るやり方は練習していないと言いますか、気をつけようっていう話ではありましたが、(スピードのある)マルシーニョはあそこにプレスに行ける特長があり、何回も成功体験を得ている。彼なら行けるって思っているので、そこのバランス、そういうのはチームでサポートしないといけないです。

 行けないんだったら止めないといけないし、それが失点につながってしまっているので、もう少し戦術はありつつも、選手の特長を活かすのが戦術だと思うので、そういうマルシーニョの特長があるのは武器として使うか。裏返しで失点になってしまったので、チームとしては反省しないといけないですが、マルシーニョは他の選手と違ってあそこに行けるので、それをどう使っていくのか。どうチームで戦術として踏み込んでいくのか。

 それはもちろん、どんどん対戦相手も引き出しに来るのは当然なので、それを連動してどう準備するかが大事です。それで行くのをやめようってなっちゃうと、マルシーニョの特長を潰してしまったり、チームとして前で奪えるチャンスを失ってしまうことにもつながるので、それをどうチーム全体で改善していくのか、そういったところにフォーカスして強くなっていかないといけないとも感じます」

 1失点目は中盤で前述の尹星俊に左サイドに展開され、一度は左からのクロスを弾くも、ペナルティエリアの外で拾われ、マルシーニョの反応が少し遅れたところで右SBの福田心之助に見事なミドルを突き刺され、2失点目は脇坂の言葉通り、伊藤が痛んでいた面もあったが、左サイドハーフのマルシーニョが相手CBのケアに出たところで、ワンツーからその裏のスペースを福田に持ち上がられ、ボランチの山本のカバーも間に合わず福田のクロスを中央のラファエル・エリアスにヘッドで決められた。

 前半は攻守で同じ絵が描ける時間が長かったが、相手の出方が異なっても臨機応変に対応する必要があり、京都戦の後半はその課題が如実に出たと言えるだろう。

 もっとも、長谷部体制発足から1年半、積み上げに時間がかかっているのは気になるが、脇坂の言葉通り前に進むためのエラーとも捉えられる。失点場面をチームとしてどう共有し、同じ絵を描けるようになるかだろう。

 チームとして少しずつ課題を潰し、前に進んでいる印象はある。それはポジティブな面である。

 しかし、本当にリーグの覇権奪回やタイトル、ACLEの出場権獲得を目指すのであれば、開幕からの連続ドローに危機感を抱かなくてはいけない状況でもある。それをクラブ、そして選手個々がどれだけ感じているかが重要である。

 次戦は開幕からの2戦で強さを見せる広島とアウェーで対戦する。自分たちの立ち位置を図るには改めて大切な一戦だが、本当にタイトル獲得を狙うのであれば、その意志表明をしてもらいたいゲームとなる。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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