これはまさに放送事故と言っていい出来事だろう。去る8月14日、マツダスタジアムで行われた阪神戦は、広島が6-1で快勝した。しかし地元・広島のファンは試合終盤、フリーズしてしまった。
この試合は広島の先発・森下暢仁が好投して8回1失点。前半戦は不調だったが、本来のピッチングがようやく戻ってきた。
ハプニングが起きたのは8回裏。この回の先頭バッター小園海斗がセンター前ヒットで出塁すると、新井貴浩監督が動いた。この時点でのスコアは5-1、引き離しにかかったのだろう。「代走・辰見鴻之介」を告げた。
その直後だった。この一戦を中継していた広島テレビの実況アナウンサーが、
「小園に代わって、代走・ハツキが告げられています」
と発したのだ。解説者の広島OBは驚いて固まってしまい、そのイニングはひと言も喋らなかった。衛星放送などの再放送では、その場面がカットされていた。
その後、「代走・辰見」は二盗を決め、代打・モンテロの左前適時打で6点目のホームを踏んでいる。
9回表は二番手の高太一が佐藤輝明に長打を許したが、その後は3人でピシャリと締めてゲームセット。広島の連敗は6でストップした。「代走・ハツキ」のインパクトが強すぎたのか、中継を見ていた地元ファンは試合後もざわついていたそうだ。
渦中の小園がヒットを打った直後なので…
なぜ、間違えたのか。ヒットを打ったのが、アノ件で渦中にある小園だったからか。首位・阪神に快勝しても、別の話題にすり替わってしまうところに、今季の運のなさを感じずにはいられない。
「新井監督はこの試合の総括を促された際、代走が送られた後の次打者である佐々木泰の名前を挙げ、『(打撃が)だんだん良くなってきた』と語っていました。代走に送られた辰見は昨年の現役ドラフトで広島に来て、スピードプレーヤーとしての素質が開花しました。9回に登板した高もそうですが、よく見ると広島では新しい戦力が頭角を表しつつあります」(広島メディア関係者)
若手を試合に集中させるためにも、球団はアノ件の内部調査を公表するなどして、決着をつけるべきだろう。

