トレーディングカードのコレクターにとって、レアなカードを手に入れることはまさにお宝を探し当てるようなものだ。
このたび、2025年NBAドラフト1位指名の逸材クーパー・フラッグの、デビュー戦で身につけた記念ワッペンが埋め込まれた、この世にひとつしかない超レアカードを引き当てた人物が現われ、その後の成り行きが話題になっている。
このカードは、RDPA (Rookie Debut Patch Autograph =ルーキー・デビュー・パッチ・サイン入りカード)と呼ばれるもので、新人選手がNBAのデビュー戦でユニフォームにつけるワッペンが埋め込まれている。デビュー戦は誰にとっても一生に一度 。しかもこのフラッグのカードには、本人の直筆サインまで入っている超プレミアの1枚なのだ。
購入者は、高額なトレーディングカードのボックス、あるいはケースを資金を出し合って共同購入するグループブレイクにより、ダラス・マーベリックス分のカードを515ドルで購入。
購入されたボックスをロードアイランド州にある専門業者がライブ動画内で開封したところ、一番のお宝であるフラッグのRDPAが登場したのだった。
フラッグはこのシーズンの新人王受賞者であり、今後GOAT級の選手に成長する可能性を考えても、コレクターにとっての価値は計り知れない。
8月6日にこのカードが市場に出回った時点で、マーベリックスも公式SNS上で、『クーパー・フラッグのRookie Debut Patch Autograph Cardが、ついに発売。もしあなたがこのカードを手に入れたなら、ぜひ私たちに連絡を。報奨金を用意しています。幸運を祈る!』というメッセージを投稿していた。
球団史に残る大スターになる可能性を秘めたフラッグの記念すべきデビューカードを自分たちで所有したいという意向で、チームは4日後にこのカードが発見されると、それと引き換えに、以下のような特権を購入者にオファーした。
・フラッグの背番号32にちなんで、32年間分のプレミアムシートのシーズンチケット2枚
・フラッグが試合で実際に着用したサイン入りユニフォーム
・試合後にフラッグと一緒に写真撮影ができる権利
ほかにも本拠地アメリカンエアラインズ・センターでの様々な特典を用意していると発表した。 さらに世界最大級のオークションハウスGoldinも、まだ購入者が現われる前の時点で、このカードをオークションに出すことを条件に150万ドル(約2億4000万円)を前払いすると告知していた。
同社はオークションでの売値は500万ドル(約8億円)以上にも跳ね上がると予想しているが、ヴィクター・ウェンバンヤマのルーキーカードも、直筆サインが入っていなかったにもかかわらず511万ドルで落札されていることから、これは十分に現実的な値段だろう。
そしてもう1人、このカードの購入を狙っていると思われる人物がいる。フラッグ本人だ。
彼も熱心なカードコレクターであり、それゆえに直筆サイン入りのありがたみを理解している。7月に開催されたトレーディングイベントの会場で、自身のデビューパッチ入りカードに喜んでサインをしていたと、『ESPN』は伝えている。
その際、記者から「自分のカードを誰かが引き当てたら買い戻したいか?」と聞かれると、「そうだね、いつかね。2回目の契約をもらうまで待たないといけないかもしれないけど、たぶんいつの日にかは」と答えていたそうだ。
たとえ自分自身のカードであっても、何百万ドルもするものはすぐには買えない、というのがなんとも皮肉であるが...。
購入者にとってはまさに宝くじを引き当てたようなものだが、今後、フラッグがキャリアアップしていけば、その価値はさらに高額になることも考えられる。手放して数々の高待遇を受け取るか、自分のものとして慈しむか、いずれにしても贅沢な選択に、頭を悩ませることだろう。
文●小川由紀子
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