『G1 CLIMAX 36』両国国技館(2026年8月16日)
決勝戦 ○大岩陵平vs上村優也×
大岩が上村との“ニュースタンダード"対決を制してG1初制覇。師匠・天山広吉の眼前で「俺が令和の夏男、THE GRIP、大岩陵平だ!」と叫んでみせた。
出場者決定戦から勝ち上がってきた大岩は、Aブロックを2位通過。準決勝ではBブロック1位のカラム・ニューマンをTHE GRIPで破り、初のG1決勝進出を決めた。対するはBブロックを2位で突破し、準決勝でIWGPヘビー級王者・辻陽太を破った上村。2015年の棚橋弘至vs中邑真輔以来、実に11年ぶりとなる生え抜き同士の決勝戦は、どちらが勝っても初優勝となるフレッシュな顔合わせとなった。
両者は昨年のG1公式戦(8・7後楽園)で初の一騎打ち。上村がカンヌキスープレックスホールドで勝利しており、大岩にとっては雪辱戦となった。前日の両国大会で引退した天山が実況席で試合を見守るなかでゴングが打ち鳴らされる。両者への声援が両国国技館に鳴り響いた。
今回のリーグ戦では大岩のヘッドロックが猛威を振るったが、上村が逆にヘッドロックを仕掛けて先手。反撃をことごとく封じてしつこく絞め上げると、左腕攻めにシフトして執ような一点集中攻撃を展開する。一方、大岩はヘッドシザースやヘッドロック、ネックロックで首狙いへ。一点攻めでせめぎ合う。
一進一退の攻防が続いたが、20分を超した場面で大岩がドクターボムを決めて初めて大技が決まる。スープレックス合戦でもしのぎを削るが、上村は引かずにドラゴンスープレックスホールドで好機をたぐり寄せると、ライオンズシャイナープレスを投下。大岩も強烈なヘッドロックで立て直したものの、上村はスキを突いて投げっぱなしカンヌキスープレックスをズバリ。シャイニング式エルボードロップを落とすと、ライオンズシャイナーへ。
これを自爆させた大岩は、またもヘッドロックに固めると、そこからTHE GRIPで勝負に出る。が、上村はカウンターのアームドラッグでぶん投げると、流れるように腕ひしぎ十字固めへ。リストロックに切り換えて死力を振り絞ってギブアップを迫った。大岩はショートレンジでラリアットを連発したり、ジャーマンで投げたりと猛抵抗を見せるも、そのたびに上村はリストロックに持ち込んで絶叫する。
土俵際まで追い込まれた大岩だったが、天山の眼前で片手式天山スープレックスを決めて活路。カンヌキスープレックスを狙われても強引にラリアットを振り抜く。ヘッドバットをカウンターで浴びても、意地のTHE GRIPをズバリ。ヘッドロックを挟んで、こん身のTHE GRIPを再びぶち込んだ。上村はギリギリでキックアウトするが、大岩はヘッドロックにここでも捕獲。上村は必死の抵抗を見せるも、大岩はポジションを切り返させずに絞めに絞めてギブアップを奪った。
大岩が出場者決定戦から頂点まで駆け上がり、古き良きテクニックを現代風に蘇らせた“ニュースタンダード"の戦いを制して歓喜のG1初制覇。2008年優勝の後藤洋央紀が持つデビュー5年1ヵ月を抜き、デビュー4年11ヵ月で最短キャリア優勝記録を更新した。
優勝トロフィー、優勝旗を受け取った大岩に「大岩」コールが降り注ぐ。マイクを持つと、「予選から優勝して、ビッグドリーム掴みました!」と絶叫。「俺と上村優也は一生ライバルだ。これからも新日本プロレスのために高め合っていこうぜ」と上村にメッセージを送ると、「解説席にいる天山さん、自分、昨日はセレモニー、TMDKは行けなかったんですよ。だから今日、こうやって天山さんの目の前で優勝を掴んで、俺はメッチャ幸せです。ありがとうございます」とかつて付き人を務めた恩人である天山にも改めて優勝を報告した。両国は「天山」コールに包まれる。
「今年のG1 CLIMAXは今日で終わってしまいましたが、皆さん熱かったですか!? シカゴから始まって、日本中駆け巡って、ここ両国で熱い夏も終わりますが、俺がG1チャンピオンだ。もっと熱い新日本プロレスにご期待ください」とアピールした大岩は、「ま〜ず〜は、10月の両国でIWGP、俺が挑戦して、必ず掴みます」と10・12両国大会でのタイトル挑戦を表明。「俺が令和の夏男、THE GRIP、大岩陵平だ!」と力強く宣言して、2026年のG1を締めくくった。
バックステージで「このG1は両国のみんなと勝ち獲ったG1です。最初から最後まですげえ大岩コールありがとう。マジでありがとう」と観客に感謝した大岩は、「熱い熱いG1 CLIMAXは今日で終わりましたが、俺がチャンピオンになったからには、これ以上に熱い新日本プロレスを必ず俺たちの時代で、俺たちの世代で創り上げますので。本当に期待して見ててください」と所信表明。「今日の決勝戦見たでしょ? これが新しい新日本プロレスだ。これが俺のプロレスだ。これが俺のプロフェッショナルレスリング。俺がずっとやりたかったプロレスだ」と断言すると、「これでちゃんとシングルのタイトル獲れたから、俺の道間違えてなかったです」と優勝の喜びを噛みしめていた。
【試合後の大岩、藤田】
▼大岩「ああ! オッシャー! オッシャー! (※トロフィーを設置して)トロフィーの位置はここで大丈夫ですか? やりました! 本当にやりました! 腕の感覚ないですけど、最後の最後まで俺が闘えたのは両国のみんなの声援のおかげです。本当に、本当に、本当に力になりました。マジでありがとう。最後リストロックで本当に立ち上がれなかったけど、このG1は両国のみんなと勝ち取ったG1です。最初から最後までスッゲー大岩コールありがとう。マジでありがとう。でも、『G1 CLIMAX』、熱い熱い『G1 CLIMAX』は今日で終わりましたが、俺がチャンピオンになったからには、これ以上に熱い新日本プロレスを必ず俺たちの時代で、俺たちの世代で作り上げますので、本当に期待して見ててください。今日の決勝戦、見たでしょう? これが新しい新日本プロレスだ。これが俺のプロレスだ。これが俺の“プロフェッショナル・レスリング"、俺のずっとやりたかったプロレスだ。これでちゃんとシングルのタイトル獲ったから、俺の道は間違えてなかったっす。ありがとうございました! (※TMDKのメンバーに向かって)みんな乾杯する? 藤田もありがとう! ザックもハートリーもありがとう! 乾杯しよう。今日は飲んで大丈夫ね。ありがとう!(※と言ってメンバーたちと乾杯)。ああ、マジでやりました!」
▼藤田「マジでやったね」
▼大岩「マジでやったよ」
▼藤田「凄かったよ」
▼大岩「藤田の実績に本当負けてられなくて、ありがとう」
▼藤田「いやいや俺にはあれはできんから」
▼大岩「いや、でも藤田は凄い」
▼藤田「もういいから!(笑) そういうのいいから!(笑) 気持ち悪いから帰るわ、俺(笑)。今日はお前が凄いからマジで(※と言って照れながら先に退出)」
▼大岩「ありがとう! (※ザックとジャクソンも引き上げた後)何かありますか?」
──改めて初優勝おめでとうございます。
▼大岩「こちらこそ」
──闘い方に非常にこだわってきた大岩選手ですが、今日の上村選手とのあのレスリングで勝った意味というのは、改めて新日本にどんな意義がありますか?
▼大岩「今は自分たちのスタイルは世界的にはマイナーかもしれないですけど、このG1でこのスタイルでお客さんが熱狂できたってことは、俺と上村優也の理想のプロレスのスタイルは間違ってなかったってことだと思うんで、これからもプロフェッショナル・レスリング、プロレスなんで、プロのレスリングなんで、プロフェッショナル・レスリングでこのマットを熱くしていきたいと思いました」
──タイミング的にも昨日天山選手の引退があって、最高のタイミングで獲ったかなって思います。今日という1日をきっかけに今後どんなレスラーになっていきたいですか?
▼大岩「まあ目標のレスラーは変わらず自分の理想はしっかりあって。でも、まだまだ自分は成長期なんで、まだデビュー5年なんで。いや、でも5年だからじゃねえ。一生現役でいる限り成長期なんで、テクニック磨いてパワー磨いて、しっかりもっともっとプロのプロのレスリングできるようになっていきます」
──先ほど藤田選手は恥ずかしがって席を立たれちゃいましたけど、やっぱり同期の存在っていうのは大きかったですか?
▼大岩「そりゃデカいですね。自分は藤田がスーパージュニア獲って、同じチームだから半分は…半分っていうか2割ぐらいは嬉しくて、8割悔しかったんすよ、同期で出遅れてるってのは。だから、早くシングルのタイトル欲しかったし、負けてられないっていうのもあったし、同期だけじゃなくて新世代、いや現世代って呼ばれてる選手に先に越された感もあったんで、本当にずっと悔しくて悔しくて、タッグリーグも優勝したけど、それでもやっぱプロレスなんで、シングルで獲らないと意味ないと思ってたんで、やっとG1手にすることができました。悔しかったっす」
──そうした悔しさがある中で、リング上でも少しおっしゃっていましたけど、10月で最高峰のベルトを口にしました。今後、どのように新日本を引っ張っていくのか、何か自身が描いている青写真があれば教えてください。
▼大岩「10月のIWGP戦はまだ2ヵ月ありますんで、俺もしっかりテクニックをもっと磨いて、ヘッドロックならチャンピオンの頭グチャグチャにして脳波狂わせて、で、目が見えないぐらい絞り上げて、アーククラッチならヒジの関節グチャグチャに捻り上げられるぐらいしっかり強くなって、10月の両国のリングに立つんで、今日以上に怖い大岩陵平を期待しててください」
──昨日の天山さんの引退試合はどのようにご覧になられて、今日の試合にモチベーションに変化はありましたか?
▼大岩「試合後は本隊の選手だけセレモニーで、TMDKはセレモニーなかったんでモニターでずっと見てたんすけど、昨日の試合は僕は天山さんのために、天山さんにいい引退を繋げられるように頑張ったっすけど、今日は天山さんのためじゃなくて自分のために頑張りました。でも、天山さんのあの9分22秒の試合が、僕の刺激になったことは間違いないです」
──天山さんから受け継いで、今後も自分の中で持ち続けるもので一番大きいものって、どのあたりになりますか?
▼大岩「天山さんから教えてもらった闘魂っていうたぶん2文字で表せると思うんすけど、リング上の技術とかじゃなくて、どんだけ苦しくても立ち上がる、顔を下向かない、前向いて、上向いて、『ツラかったら陵平は応援されるからツラいのをお客さんに伝えろ』って言ってもらったんで、試合中もどんな時も下向かないように頑張るっていうのは天山さんから教えてもらいました。あとマウンテンホーンもマジで僕の力になるんで、これからも使っていきたいなって思いました」
──“令和の夏男"と自分で言いましたけど、やっぱりそこに覚悟があっての発言だったと思うんですけど、どういう思いですか?
▼大岩「そうですね。新世代、誰もG1獲ってないんで、俺が夏男になって。もちろんG1だけじゃないっすけど、一番熱い夏、中心にいるのは俺だっていうことを夏男という言葉で表現させていただきました」
【上村の話】「(※タイチとデスペラードに両肩を担がれてたどり着くと床にうつ伏せに倒れ込み、やがて仰向けになるとしばらく頭を抱えて、身体を起こしてインタビューバックに寄りかかって座る)はぁ……またやっちまった……。これが現実だと受け止めたくないけど、大岩、あいつの勢いと実力、これは本物だ! プロレスラーになって……プロレスラーになる前もずっとずっと悔しい思い、もう数え切れないぐらいしてきた。(※崩れるように四つん這いになって)まだまだ、まだまだなのか……。悔しい思い、たくさんしてきてるけど、この世の中には俺よりももっと悔しい思い、辛い思いしてきてる人、たくさんいるでしょう。そんな人に俺が這い上がっていく姿、見せていくしかない! (※立ち上がって)何度だって昇ってやる! 俺は必ずまた、この『G1 CLIMAX』の決勝に上がってくる! オウ!」

