
『風の谷のナウシカ』で、怒りで目を赤くして暴走する王蟲 (C)1984 Studio Ghibli・H
【画像】「マジか」「ちゃんと聞きたい」 これが「王蟲」の声を担当した超大物アーティストです(3枚)
暴走時の王蟲の「声」を担当したというが…?
映画『風の谷のナウシカ』(原作・脚本・監督:宮﨑駿)は天才、宮崎駿のキャリアを決定づけた作品です。また音楽面でいえば、久石譲氏のキャリアもまた、『ナウシカ』で決定づけられたと言っても良いでしょう。
自身の音楽活動のかたわら、商業音楽の仕事も多数こなしていた久石氏ですが、その卓越した才能への評価は『ナウシカ』公開以降、日本全国、そして世界的なものへとなっていきます。
さて、『ナウシカ』という作品の音楽には、久石氏以外の「超大物ミュージシャン」が、何名か参加していたことをご存知でしょうか。
そのうちのひとりが、細野晴臣氏です。「はっぴいえんど」「イエロー・マジック・オーケストラ (YMO)」のメンバーとして、あるいはソロのミュージシャンとして、戦後音楽史の最重要人物のひとりです。
実は『ナウシカ』の劇中音楽は当初、細野氏が担当する予定でした。しかし、最終的に『ナウシカ』でプロデューサーを務めた高畑勲監督の推薦もあり久石氏が抜てきされました。
この交代の経緯は少々複雑ですが、久石氏が抜てきされた理由はシンプルです。『ナウシカ』の雰囲気は、久石氏の作風の方が合っていたから、というものでした。
実際、細野さんは安田成美さんの歌うシンボル・テーマソング「風の谷のナウシカ」の作曲を手がけました。(作詞は松本隆氏)。しかし、このテーマソングは劇中で使用されることはありませんでした。
さて、『ナウシカ』に参加している世界的なミュージシャンはもうひとりいます。
ギタリストの布袋寅泰さんです。はてさて、『ナウシカ』のいったいどこに「布袋のギター」が炸裂するシーンがあったでしょうか。
これまた意外な話ですが、布袋氏が担当したのは劇中音楽ではありません。「王蟲」の鳴き声だったのです。
王蟲は暴走中、「ギュゥーン」という甲高い鳴き声を発します。この鳴き声こそ、布袋氏のギターによって表現されたものでした。つまり布袋氏はギターサウンドで王蟲の「声優」を担当したと言えるでしょう。
それにしてもいったい、どういう経緯でこんなキャスティングが実現したのでしょうか。これについて布袋氏は、2011年に自身のXアカウント(当時Twitter)で、次のような投稿をしています。
「久石譲さんに呼ばれてギターで泣いてくれと頼まれました。ずいぶん昔の話です。」
どうにも両者の関係が気になるところです。とはいえ、『ナウシカ』公開時、すでに布袋氏は「BOOWY」でデビュー済でありました。タイミング的にはブレイク前夜というところだったのでしょう。
『風の谷のナウシカ』という映画は、宮崎駿を中心に、ジャンルを横断した、若かりし才能が集結した奇跡のような長編アニメーションだったのです。
