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新日本プロレス会場に「AIアントニオ猪木」登場で「語られた言葉」は誰が作ったか…そして「人型アンドロイド猪木」完成へ

新日本プロレス会場に「AIアントニオ猪木」登場で「語られた言葉」は誰が作ったか…そして「人型アンドロイド猪木」完成へ

 新日本プロレス、8月15日の両国国技館大会。引退試合を終えたばかりの天山広吉に、会場スクリーンの「AIアントニオ猪木」が語りかけた。
「これまでよく頑張ったな、ご苦労さん」
 2022年10月に79歳で亡くなった猪木氏をAI技術で再現した映像は、棚橋弘至社長や2027年の新日本プロレス創立55周年にも触れ、最後は「1、2、3、ダーッ!」で締めくくった。

 会場が大いに沸いた一方、Xではこの演出への拒否反応が広がった。猪木氏本人の言葉とは思えないとの指摘や、姿と声への違和感、故人に新しい言葉を語らせることへの抵抗感が飛び交った。
 しかし実弟が代表の会社が参加する公式企画であることから、問題視しない声や、猪木氏なら新しい試みに前向きだったのではないかと受け止める見方もあり、反応は一様ではない。

 翌16日、新日本所属のエル・デスペラードがXに投稿。
〈新日本プロレスが勝手に作り上げた訳じゃないよ、という事です〉
 事実、AI猪木を使った「猪木ロイド」は、2025年2月に初披露されている。その取り組みを発展させる形で、猪木氏の実弟・猪木啓介氏が代表の猪木元気工場、大阪大学栄誉教授の石黒浩氏が率いるAVITA、SMBCバリュークリエーションの3社が、2026年2月に「アンドロイド猪木」プロジェクトを立ち上げた。

 では、あの映像で流れた言葉は誰のものなのか。猪木氏の生前の音声や映像、書籍などが開発に使われていることは公表されている。だが天山に向けた文章を人間が作ったのか、生成AIが作ったのか、あるいは両者で調整したのかは公表されていない。公式のお墨付きがあっても、それを猪木氏の言葉として受け取れるかは別の話なのだ。

横浜DeNAが巨人3連戦でAI猪木を起用する

 しかもこの先、同じ問題はさらに広がる可能性がある。プロジェクトは猪木氏の人格や思想の継承を掲げ、若者への人生相談、社会啓発、企業広告などへの活用を想定している。2027年2月20日までに人型アンドロイドの完成を目指しており、実現すれば死後に作られた新しい言葉を猪木氏の姿と声で伝える機会は増えていく。

 その計画はすでに、プロレスの会場を越えて動き始めている。プロ野球の横浜DeNAベイスターズは、8月18日から20日までの巨人3連戦「横濱漢祭2026」で、AI猪木を「応援元帥」として起用すると発表している。セレモニアルピッチや選手飛び出しコール、ラッキーセブンなど、複数の場面に登場する予定だ。

 問われているのは、AIで故人を復活させること自体の是非だけではない。生前に本人が語った言葉と、死後に新たに作られた言葉を、観客はどう区別するのか。そしてその言葉に誰が責任を負うのか。スクリーンの中の猪木氏が新しい言葉を語るたび、この疑問はついて回る。

(ケン高田)

配信元: アサ芸プラス

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