アメリカのゴルフ用具・用品の祭典 「P G A ショー」に突撃! そこで 「これが!?」と驚かされるスグレモノの“ 計測機” を発見した!
P G Aショーで見つけた価格もサイズもコンパクトな計測機

1月に開催された「PGAショー」は、1000社以上のさまざまなメーカーが出展し、大いに賑わった。そこで、一見あまり目立たない商品でありながら、業界を一変させそうな雰囲気を醸し出す商品を見つけたので紹介したい。
会場外にあるオレンジカウンティーナショナルGCの円形練習場で開かれた1月20日のデモデー(試打会)では、クラブメーカーやシャフトメーカーに混じり、弾道計測機メーカーも多数出展。そのなかに「Mトレーサー」というデバイスを開発した「パイルズアウト」という会社があった。
Mトレーサーとは、デバイスをグリップエンドに取り付けてショットを解析するもので、スイングやスイング中のクラブの挙動を計測。そこから導き出されるデータがスマホやパソコンなどの端末に表示される。

一般ユーザーにもすでに知名度の高いトラックマンやGC4といった弾道計測機のようなものだが、Mトレーサーも以前から発売されており、今回、私が見たものはその最新モデルになる。
デバイスの重量はわずか数十グラム(約12グラム)と極めて小さく軽量で、サイズはペットボトルのキャップよりほんの少し大きいぐらい。これを端末の専用ソフト(アプリ)とリンクさせれば、ほかにカメラなどの機材が不要。すべてがポケットに収まるサイズで、持ち運びに便利とあって、海外への転戦が多いプロにも重宝されそうだ。
値段も2万9700円と極めて安価。多くのプロが愛用しているトラックマンなどのデバイスと比較すると、その値段は100分の1だ。また、遠征途中に壊れたり盗難にあったりするリスクも軽減され、盗まれたとしても予備のデバイスを準備することも容易。安価な値段からもアマチュアゴルファーからの需要が大きくなりそうだ。
「パイルズアウト」のCEO鈴木克典氏に話を聞いてみた。

右:デモデー(試打会)の会場に出展する「パイルズアウト」のCEO鈴木克典氏
「グリップエンドに装着したMトレーサーが、グリップエンドの移動時間や位置、動きなどを計測・換算してヘッドスピードやリリースポイント、インパクトエリアなどを割り出します。弾道は計測による予測値ですが、スイングの始動時からフィニッシュまでのクラブや体の動きは〝実測〞です。Mトレーサーは〝スイング分析装置〞であり、トラックマンなどの〝弾道計測機〞とは異なります。
当社の技術は、一眼レフカメラの手ぶれ補正装置に関して世界的に技術力に定評のあるセイコーエプソン社のセンシング技術を使用していますので、信頼度は高く、計測値はトラックマンなどと比較しても遜色ないという結果を得ています」
そんなMトレーサーは、計測したスイングを独自のAIが分析し、自動コーチングもしてくれるという。
「ヘッドの入射角が〇度で、アウトサイド・イン〇度の軌道。インパクト時のヘッドスピードは〇毎秒。トップくらいの位置から切り返しのタイミングは〇〇というデータから、AIが過去に集積した2000万パターン以上のスイングからベストなアドバイスをします。
また、各個人のベストだったスイングを記録することで、日替わりになるスイングとの差異をとらえて指摘する。アマチュアだけでなく、試合前に調整するプロへのアドバイスとしても有用です。ちなみに、あらゆる言語にも対応しています」(鈴木)
高価で持ち運びが面倒だった計測機のデバイスが、技術の進歩により小型化され値段も下がるのは時代の流れの必然。Mトレーサーは弾道測定の世界を様変わりさせるかもしれない。
いかがでしたか? プロアマ問わず、重宝間違いなしですね!
フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
取材・写真=田辺安啓

