女子テニス世界ランキング1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/28歳)が、米誌『TIME』のインタビューに応じ、過去に離別したスポーツ心理士との仕事を再開したことを明かした。
これまでにツアー24勝を挙げているサバレンカは、今でこそ女子テニス界の頂点に君臨しているものの、その道のりは決して平坦ではなかった。特に2022年シーズンには深刻なサービスの不振に陥り、年間428本ものダブルフォールトを記録。一時は現役引退も考えるほど精神的に追い詰められていたという。
それでも同年の「シンシナティ・オープン」(WTA1000)を前にバイオメカニクス(身体の動きを力学的に分析する学問)の専門家をチームに招き、サービスの動作を大幅に修正。その後徐々に調子を取り戻すと、翌23年の「全豪オープン」で悲願の四大大会初優勝を成し遂げた。
一方で、その全豪に先駆け、サバレンカは当時サポートを受けていたスポーツ心理士と袂を分かつという決断を下していた。その理由について、インタビューで次のように説明している。
「ある時からメンタル面について考えすぎるようになっていた気がします。心理士にもかなり頼るようになり、テニスそのものに集中することを忘れてしまっていました。だから一度そこから離れて、自分自身をどうコントロールするのかを自力で学ぼうと決めたのです。自分のことを自分以上に理解している人はいないのですから」
その後、24年全豪、同年と25年の「全米オープン」を制覇するなど、トップ選手として確固たる地位を築いたサバレンカ。しかし今季の四大大会では思うような結果を残せておらず、全豪では決勝でエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/現2位)に敗れて準優勝。6月の「全仏オープン」では準々決勝でディアナ・シュナイダー(ロシア/同14位)に、7月の「ウインブルドン」では4回戦で大坂なおみ(元1位/現13位)に敗れた。
中でも全仏ではサービング・フォー・ザ・マッチを迎え、勝利まであと2ポイントに迫りながら大逆転負けを喫したこともあり、「狂ったように泣きました。涙が出なくなるほど泣いて、翌朝起きたら目が腫れ上がっていました」と当時を振り返った。
そして、この敗戦をきっかけにサバレンカは再びスポーツ心理士のサポートを受けることにした。現在はその存在の重要性を実感しているようだ。
「自分のことをよく知っている人がチームに戻ってきてくれてうれしい。ほんの一言、二言で、気持ちを完全に切り替えさせてくれることがありますし、『こういうアプローチを取るべきだったのか』といった感じで、ハッとさせられるような気付きも得られます」
今月末には、2連覇中の四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)が開幕する。大会3連覇の偉業に挑む28歳が、ニューヨークの大舞台でどのような戦いを見せるのか注目だ。
文●中村光佑
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