2024年に引退した小川良成さんが、新日本・大岩陵平のG1 CLIMAX制覇に際して取材に応じた。
大岩は2023年9月から約1年間に渡ってNOAHに参戦。異例の“国内武者修行"で、積極的に小川さんから多くを学んだ。新日本帰還後はザック・セイバーJr.の薫陶を受け“小川教室"で得た技術をさらに磨き上げた。
そして今夏G1 CLIMAXを制覇。ニュースター誕生のインパクトとともに、その技術習得の積み重ねが花開いた試合内容も脚光を浴びた。愛弟子がつかんだ待望の結果に、現在はNOAHでコーチを務める“師"が感じたこととは。小川さんに話を聞くことができた――。
【小川さんインタビュー】
――大岩選手がG1を制覇しました
▼小川さん「うれしいよ。試合みたよ」
――大岩選手のNOAH武者修行時代、2023年9月から約1年間に渡って指導していました
▼小川さん「新日本に戻ってからも月に1、2回はNOAHの道場に来てたよ」
――大岩選手は『小川さんから教わった技術を自分なりに進化させてきた』と言っていました
▼小川さん「そうだね。俺が教えたことがベースになってるけど、彼も頭いいからね。いろんなことを自分で考えて努力してたから。試合をみてても『お〜そうきたか〜』って思いながら楽しめてたよ」
――新日本に戻ってからもザック・セイバーJr.から学べる環境にいたのも大きい?
▼小川さん「新日本に戻ってザックと一緒にいられたっていうことのほうが、俺が教えたことより大きいんじゃない? 昨日の試合(G1決勝)見てても、ザックがちゃんとリングサイドから見てたし。でもザックが歯がゆそうにしてるシーンもあったなぁ。『俺だったらこうやるのに!』みたいな。大岩の試合をみながらザックをみるのも面白かった(笑) ザックと大岩じゃキャリアが違うから、ザックと比べちゃうのはかわいそうだけど」
――若い二人がクラシカルな技術でG1決勝の舞台を湧かせたことも脚光を浴びました
▼小川さん「クラシカルかぁ…。まぁ『クラシカル』って言ってるような選手に限って、ちゃんとプロレスできなかったりするんだけどね。『クラシカル』ってよく言うけど、俺が大岩ぐらいの年齢だった頃にも言われたから。『お前のプロレスはクラシカルだなぁ』って。35年ぐらい前だよ? 今、ああいう試合を大岩がやっても『クラシカル』って言われて、俺が35年前にやっても『クラシカル』って言われた。おかしな話だと思うけど、それは大岩自身が一番そう思ってるんじゃない?」
――基本技といわれるヘッドロック、リストロック、アームドラッグのバリエーションを見せつけられるような、今のプロレスのトレンドとは一線を画すような試合内容でもありました
▼小川さん「俺はああいうのが普通だと思ってたから、別に新しいとも凄いとも思わないし、『ああいう感じの試合もあるよな』ぐらいの感じで。逆に大岩はあれだけのパワーと体があるんだから、もっとすごい技もありそうな感じなんだけど『でもヘッドロックなんだ』って思ったけどね。逆にそれが新鮮だったんだろうけど」
――思わぬ形でNOAHでの武者修行時代の経験にもスポットライトが当たった
▼小川さん「でも、昨日の大岩みたいなプロレスができる人、今のNOAHに一人もいないからね。先日亡くなったドリー・ファンク・ジュニアが俺の先生だったんだけど、(NOAHのプロレスというよりは)ドリーに教わったプロレスが俺から大岩に引き継がれてるような感じだから。ドリーの試合と大岩の試合を見比べると、同じようなことをしてる…って分かると思うよ」
――大岩選手といえば清宮選手で、清宮選手も小川さんから教わった一人ですが…
▼小川さん「清宮にも教えたけど、全然違う方向にいっちゃってるし、大岩とだいぶ差がついたね。大岩のほうが上にいっちゃってるよね。第1試合で新弟子に勝って喜んでるようなレスラーと、G1で優勝するレスラーじゃ差があるでしょ。ま、大岩の話だから清宮のことはいいでしょ」
――最後に大岩さんへのエールがあれば、いただけるとありがたいです
▼小川さん「そのままでいいと思うよ。今のままで。何かあったらね、一番近くにザックがいるから」

