このたび、スイス出身の双子の映画作家、ラモン&シルヴァン・チュルヒャーが、人間たちの共同生活をめぐって生み出してきた「動物三部作」――『ストレンジ・リトル・キャット』『ガール・アンド・スパイダー』『煙突の中の雀』が、「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」として全国順次公開されることが決定した。
長編デビュー作『ストレンジ・リトル・キャット』は2013年ベルリン国際映画祭フォーラム部門で初上映され、その後トロント、カンヌをはじめ世界各地の映画祭で上映。兄弟が共同で脚本・監督を手がけた第2作『ガール・アンド・スパイダー』は、2021年ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門で監督賞とFIPRESCI賞を受賞。そして第3作『煙突の中の雀』によって、三作にわたる「動物三部作」は完結した。
その独創的な映画世界は、日本でもすでに熱い支持を集めている。数年前に『ストレンジ・リトル・キャット』がイベント上映された際には、チケットが即完売。さらに2025年の東京フィルメックスでは、三作品を一挙上映する特集が組まれ、ほぼ満席となる回も生まれるなど、本格的な劇場公開を前に大きな反響を呼んだ。一軒のアパート、二つの部屋、森のほとりの古い家。チュルヒャー兄弟は、限られた空間のなかに、人間の視線や身体、言葉と沈黙、生活音、家具、動物を精密に配置し、ごくありふれた日常を、奇妙でユーモラス、そして時に不穏なコレオグラフィーへと変えていく。
このたび公開された特集予告映像では、夕食会を準備する一家、引っ越しの部屋、森のほとりの古い家を舞台に、人々の視線や身体、言葉、物音が次々と連鎖していく三作品の世界を凝縮。軽やかなユーモアから、やがて親密さと孤独、愛情と暴力、秩序と反乱がせめぎ合う濃密なドラマへと変貌していく「動物三部作」の軌跡が見て取れる。最後には「ジャック・タチとロベール・ブレッソンの出会い」というコメントも映し出され、チュルヒャー作品の作家性を感じさせる映像となっている。
あわせて各作品の予告映像も公開。三作品をつなぐ猫、蜘蛛、雀は、それぞれ異なる自由のかたちを映し出す。野性をあとにした猫。さまざまな場所に自らの住処を編む蜘蛛。閉ざされた煙突から空への出口を探す雀。その姿は、家族や友情、社会的な役割のなかにとどまりながら、より自由な生を求める人間たちと静かに響き合う。
「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」は、2026年10月30日(金)より全国順次公開。
イベント情報
「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」
スイス出身の双子の映画作家・チュルヒャー兄弟の「動物三部作」をまとめて上映。
【上映作品】
『ストレンジ・リトル・キャット』
© Deutsche Film- und Fernsehakademie Berlin 2013
『ガール・アンド・スパイダー』
© 2021 Beauvoir Films / Zürcher Film / SRF
『煙突の中の雀』
© 2024 Zürcher Film / SRF / SRG SSR
配給:グッチーズ・フリースクール
2026年10月30日(金) シアター・イメージフォーラム、新宿武蔵野館ほか全国順次上映
公式サイト animaltrilogy.com
