
新体制のパレスで鎌田大地は中盤の軸に。プレミア再挑戦の冨安健洋は3バックの一角でスタメン奪取を狙う【現地発】
プレミアリーグでクリスタル・パレスは新たな体制でシーズンを迎える。指揮を執るのは、フランスで評価を高めたピエール・サージュ監督。鎌田大地は中盤の軸として、そして新加入の冨安健洋は3バックの一角を争う立場でスタートを切る。新生パレスの現在地を追った。
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パレスではこの夏、指揮官が交代した。昨季までチームを率いたオリバー・グラスナー監督が去り、後任にはフランス人のピエール・サージュ監督が就任。日本人選手では鎌田が契約を延長し、冨安もチームに加わった。
47歳のサージュ監督は昨季、RCランスをリーグ・アンで2位に導き、クラブ史上初となるクープ・ドゥ・フランス(カップ戦)のタイトルをもたらした。基本布陣は、グラスナー時代と同じ3-4-2-1。地元紙『ロンドン・スタンダード』が、その就任を「継続性を重視した人選」と評したのも、これまでのパレスとの共通点が多いからだ。
最大の特長は、前から圧力をかけてボールを奪い、素早くゴールへ向かうスタイルにある。英『BBC』放送は昨季のランスについて、ボール保持で相手を圧倒するよりも、「プレッシャー、奪回、速いトランジション」で試合をコントロールするチームと分析した。
ウイングバックを高い位置まで押し上げる攻撃も特長で、昨季までパレスが得意としてきた縦に速い攻撃との親和性は高い。形を大きく変えず、これまでの強みを活かしながら、自分の色を加えていくことになりそうだ。
もっとも、サージュ監督にとってプレミアリーグは初挑戦となる。プロレベルでの監督経験もまだ100試合に満たず、英紙『ガーディアン』は実績を評価しながらも「リスクのある人選」と指摘した。プレシーズンは勝敗に波があり、120分形式で行なわれた開幕前最後のフライブルク戦は0-3で敗れた。
W杯出場組の合流が遅れた事情もある。『ガーディアン』は、クラブがサージュ監督にまず求めているのは「安定」だと見ている。現段階では完成度を問うよりも、新監督がチームをどう整えていくかを見る時期だろう。
新体制でも、鎌田の立場は安定している。契約満了を控えて去就が注目されたが、7月に1年間の契約延長が決まった。サージュ監督も「彼には去る選択肢があった。残ってくれて本当に嬉しい」と歓迎した。
プレシーズンではアル・ウラ戦で45分間プレーし、フルアム戦、フライブルク戦ではアダム・ウォートンとともに中盤で先発している。W杯から戻った後も、順調に出場時間を伸ばしてきた。
昨季終盤に定着したウォートンとのコンビは、監督が代わっても引き継がれている。状況を見ながら立ち位置を変え、攻撃をつなげられる鎌田は、サージュ監督のスタイルにも合わせやすい。少なくとも開幕前の起用を見る限り、主力の1人としてシーズンを迎える可能性は高い。
そこに新たに加わったのが冨安だ。7月下旬からパレスの練習に参加し、アル・ウラ戦で約30分プレー。トライアル期間を経て、8月7日に正式加入が発表された。
契約前からチームに帯同しており、サージュ監督のもとでの準備はすでに始まっていた。アーセナル退団後はオランダの名門アヤックスでもプレーしたが、再びプレミアリーグで挑戦することになった。
注目したいのは起用ポジションだ。冨安は「センターバックが本職」「3バックは自分に一番合っている」と話している。パレスでもここまでは3バックの一角で起用され、フライブルク戦では61分からシャディ・リアドに代わって入った。
昨季まで守備の柱だったフランス代表CBマクソンス・ラクロワがチェルシーへ移籍した一方で、クリス・リチャーズ、リアド、ジェイディー・カンボらとの競争はある。本職と考えるCBで勝負できる環境はあるが、先発の座はこれから掴んでいく立場だ。
サージュ新体制のパレスで、鎌田は中盤の軸として、冨安は3バックの新たな選択肢として開幕を迎える。日本人2人の立ち位置も、新監督のチーム作りを映す材料になりそうだ。
文●田嶋コウスケ
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