現在開催中の男子テニス「シンシナティ・オープン」(8月13日~23日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)でベスト8進出を果たし、復調の兆しを見せているロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/現世界ランキング15位)。かつて5位にまで到達した23歳が、今年1月の「全豪オープン」準々決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/同5位)を相手に途中棄権を余儀なくされた一戦を振り返り、当時の心境を明かした。
全豪準々決勝でムゼッティは、第1セットを6-4、第2セットを6-3で連取。ジョコビッチを相手に2セットアップとし、同大会で4度目の対戦となる絶対王者からの勝利に大きく近づいていた。しかし、第3セットに入ると右太ももの負傷が悪化。メディカルタイムアウトを取って治療を受けたもののプレー続行は難しくなり、1-3の場面で棄権を申し入れた。
勝利すればランキング3位に浮上することが決まっていた大一番だった。あれから約7カ月が経った今、ムゼッティは当時を改めて回想。アメリカの専門メディア『Tennis Channel』に対し、次のように語った。
「その勝利を手にしていれば、僕は世界ランキング3位になっていた。僕にとっては、とてもつらいことだった。自分が最も勢いに乗っていた時に、ジョコビッチを相手に2セットを先取していたのだから、それを受け入れるのは本当に難しかった」
思わぬ形で勝利を手にしたジョコビッチも試合後、ムゼッティを気遣っていた。だが、この全豪での負傷は、その後も長くムゼッティを苦しめることになる。
ムゼッティは約1カ月半後の「BNPパリバ・オープン」で復帰したものの、初戦で敗退。その後はクレーコートシーズンを迎えたが、思うような結果を残せず、身体の状態が整わないまま「全仏オープン」を欠場した。さらに約2カ月半にわたってツアーを離れ、芝シーズンにも出場できなかった。その間にランキングはトップ10圏外へと落ちており、2026年は故障に翻弄されるシーズンとなった。
それでも現在、北米ハードコートシーズンでは徐々に本来の状態を取り戻している。復帰戦の「ムバダラDCオープン」を経て、シンシナティではベスト8まで勝ち上がり、実戦を重ねながら試合勘と自信も取り戻しつつある。
世界3位目前まで迫ったところから、故障によって長い離脱を強いられたムゼッティ。苦しい時間を経て、再び自身の持ち味を発揮し始めている。
構成●スマッシュ編集部
【動画】2セットアップから悪夢の棄権…ムゼッティ対ジョコビッチの全豪OP準々決勝ハイライト
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