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『トトロ』の登場←意外と遅くない?←本来は… 『E.T.』が関係していた、知られざる裏話

『トトロ』の登場←意外と遅くない?←本来は… 『E.T.』が関係していた、知られざる裏話


アニメ絵本『となりのトトロ』著:宮崎駿(徳間書店)

【画像】え、「思ったより遅い」「30分後だったの!?」こちらがトトロの初登場シーンです(5枚)

最初の構想を変えた鈴木Pのひと言とは

 スタジオジブリの名作『となりのトトロ』を観ていて、タイトルにもなっている「トトロ」の「登場が遅いなぁ」と思ったことはありませんか?

 実は上映時間約86分のうち、最初に姿を見せるのは約30分後の「小トトロ」と「中トトロ」を追いかけている途中、トトロの寝床に「メイ」が落ちたシーンです。そして、再び登場したのは上映開始から約50分後、雨のバス停で「サツキ」の前に現れるシーンでした。

 同じ宮崎駿監督作品と比べても、例えば『風の谷のナウシカ』では冒頭から「ナウシカ」が登場しますし、『天空の城ラピュタ』でも「パズー」や「シータ」は早い段階から物語を動かします。つまり、「トトロ」は異例の遅さといえるでしょう。

 なぜトトロをすぐに登場させなかったのでしょうか。実は、最初の構想では「トトロが冒頭から登場して、いきなり大活躍する」という展開だったそうです。

 これに異を唱えたのは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーでした。宮崎監督にある指摘をしたそうです。映画『E.T.』を例に出して、「不思議な存在は物語の真ん中で登場するもの」などと話したところ、宮崎監督は「そうか、真ん中だ」と納得したそうです。

 制作会議では、まず宮崎監督が大きなボードに1本の線を引き、その中央に「トトロ登場」とだけ書いたというエピソードもあります。トトロをどんなキャラクターにするかだけではなく、「いつ登場させるか」という演出も重要だったことが伺えます。

 もしトトロが冒頭から登場していたら、作品は「少女と不思議な生き物の交流を描く物語」として、現在とは違う印象になっていたかもしれません。

 古い家への引っ越し、森の気配、「まっくろくろすけ」など、トトロが姿を見せるまでに、観客はサツキやメイと同じように「この森には何かがいる」と感じるようになります。だからこそ、物語中盤に現れるトトロは、単なるキャラクターではなく、まるで最初からその森に住んでいたかのような存在として受け入れられるのです。

 公開から約40年、20回もTV放送が繰り返されても色あせない理由のひとつは、トトロを「待たせる」という大胆な演出にあったのかもしれません。

※参考資料
・『ジブリの教科書 となりのトトロ3』(文春ジブリ文庫)
・『ロマンアルバム となりのトトロ』(徳間書店)

配信元: マグミクス

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