8月23日に行われるGⅢ・キーンランドカップ(札幌・芝1200メートル)はまず、圧倒的1番人気が予想されるパンジャタワー(牡4)の取捨がポイントになる。
同馬は昨年の同レースの覇者であり、その後の2度にわたる海外遠征を経て、GI・高松宮記念(中京・芝1200メートル)4着、GI・安田記念(東京・芝1600メートル)5着と、今年の出走メンバーにおける能力上位は明らかだ。
しかし、である。陣営はGI・スプリンターズS(9月27日、中山・芝1200メートル)を今秋の最大目標としており、今回は約1カ月後の本番に向けた「始動戦」としての意味合いが強く、過信は禁物である。好調教に騙されてはいけない。
2番人気に推されそうなロジケープ(牡3)も「危ない人気馬」に該当する。デビュー以来、馬券圏内を外したことのない好成績を続けているが、3連勝中とはいえ、所詮は3勝クラスを勝ったばかりの格下馬である。にもかかわらず、ぶっつけGⅢ戦での過剰人気。アッサリと馬群に沈んでしまう危険性は大いにあろう。
筆者が注目しているのは夏競馬に強い牝馬、とりわけ「今夏の勢い」と「陣営の思惑」という点で浮上してくる4歳牝馬だ。
今年の該当馬はナムラクララ(牝4)とサウンドモリアーナ(牝4)の2頭。このうち今夏の勢いを強く感じさせるのがナムラクララだが、函館(2着)と札幌(1着)を連戦して臨む同馬の今回は「ピーク後」と考えるのが妥当である。3番人気が予想されるだけに、馬券的にもリスクの大きい人気馬と言えるだろう。
5走ぶりにフランス帰りの武豊を起用した「勝負度合い」
一方、サウンドモリアーナは、前走のGⅢ・北九州記念(小倉・芝1200メートル)を叩いて臨む一戦。5走ぶりに名手・武豊を函館に迎えたことからもうかがえるように、陣営の勝負度合いは極めて高いとみて間違いないのではないか。
サウンドモリアーナの1週前追い切りは、函館のウッド5F(稍重)で「65.9-51.8-38.2-12.6(強め)」と、併走馬を0.6秒も突き放す絶好の動き。その後の最終追い追い切りを含めて、陣営は次のように自信を覗かせているのだ。
「前走は小倉の芝(重馬場で6着)が合わなかった。(札幌の)洋芝は合うと思うので、こちらに連れてきた。(前走前に)中山、福島で連勝した内容が良かったからね。今回は状態もいいので、もっと走れていいはず」
フランス帰りの武豊がどんな手綱さばきを見せるのか。興味は尽きない。
(日高次郎/競馬アナリスト)

