
「勇気を持って」「正直声援に応えられていない」計9失点&無得点で開幕3連敗のジェフに今必要なこととは
[J1第3節]FC東京 2-0 千葉/8月21日/MUFGスタジアム
ジェフにとっては計9失点&無得点の苦しい開幕3連敗スタートなった。
開幕直前の右SB髙橋壱晟の神戸への移籍や、SBの怪我人が続いたこともあり、初陣から2戦は3-4-2-1を採用した千葉は、FC東京戦では右SBに石尾陸登、左SBに日高大を起用して慣れ親しんだ4-4-2に回帰。
国立で今季初勝利を目指したが、序盤からFC東京の質の高いポゼッションに後手を踏み、奪ってもボールを失う悪循環。全体の重心が下がっただけにCFエリソンも孤立し、得意のカウンターを発動するシーンも限られ、最後の一線でなんとか身体を張る力強さは光ったが、耐える時間が続いた。
0-0で試合を折り返し、後半はロングカウンターでチャンスを作るなどやや盛り返したものの、72分に課題のセットプレーの対応からネットを揺らされると、85分にも追加点を奪われて力尽きた。結果的にシュート数は23本対7本と大きく上回られ、ポゼッション率は61パーセントと39パーセントと厳しい内容を突き付けられ、3連敗を喫した形だ。
小林慶行監督も振り返る。
「数多くのチャンスを作られながら前半を無失点で折り返したところは、選手たちが粘り強くやってくれました。自分たちの課題としては、ゲームを通して相手の圧力を相当に感じながらも長いボールからのチャンスを窺っていましたが、ただ、相手をしっかりと見て、もう少し自分たちで主体的に前進するところ、自分たちのボールを保持する時間を持つ部分にトライしていきたいと感じています。
チームは生きものですから、選手が持っているストロングを上手く組み合わせる形をなるべく早く見つけないといけないと感じています。同時に、(失点につながった)引き続きセットプレーの課題が出てしまっているので、引き続きトレーニングでやっていきたいと思います。
(カウンターへ)人数をかけるためのパワーについては、結局のところそれ以前の問題で、自分たちがボールをコントロールする時間があまりにも少ないからこそ、やはりパワーを奪われて守備に一杯一杯になり、そこから出ていくエネルギーが残らないという部分はあると思います。
だからこそカウンターの質を上げるためにも、やはり自分たちがボールを保持しながらゲームをコントロールする時間を作っていかないことには、そのエネルギーがどんどんどんどん削られてしまうので。カウンターの前の部分での問題点につながっていると自分は解釈しています」
新シーズンに向けて補強の目玉とし川崎から獲得したFWエリソンは、力強く単騎で突破もでき、強烈な左足も持つ重要なキーマンで、彼にボールを供給しようとのチームの意志も感じられる。もっとも彼を活かす術はまだ模索段階で、エリソン自身も周囲と息が合わずにフラストレーションを溜めるシーンが見られた。
2トップを組んだFW石川大地も試合を振り返りながらこう語った。
「4バックにしても3バックにしてもセットプレーで自分たちがしっかりやるべきことをやらないと苦しくなるのは間違いないので、自分たちの課題にしっかり向き合いたいです。
(エリソンは)自分たちのストロングの部分でもあると思うので、上手く活かしつつ、ここは急ぐべきなのか、少しボールを持つべきなのか選手各々が判断していかなくてはいけないと思います。自分自身も(1節の)広島戦の課題としてもう少しエリソンのところを見れたらと今日の試合に入って、少し見れたシーンもありましたが、それが正解だったのかピッチにいる選手の状況で変わってくるので、それぞれが判断しなくてはいけないと思います」
石川の言葉通り、3試合で9失点の守備の改善とともに、いまだ無得点の攻撃面の向上には、チームとしての“武器”となるエリソンを上手く組み込みながら、効果的な崩しにつなげることがまず大きなテーマになるのだろう。
さらに付随して小林監督が語った通り、ボールをより正確につなぎ、自分たちの時間を作ることも重要だ。FC東京戦では奪ってもロストする“息ができない”状態が長く、かなり消耗したように映る。この点では石川はより勇気を持つことの重要性も説く。
「カウンター一辺倒になってもこのリーグ難しいと思うので、自分たちの強みも持ちつつ、ボールを動かしてゴールに迫っていく形も、両方できたら相手にとって脅威になると思います。
もう少し自信も必要ですし、ある程度イージーなミスもあったので、相手が両SBが高い位置を取ったり、相手CBが持ち運んでいるなかで、奪ったボールを1、2本つなげば間違いなくチャンスになったゲームなので、そこは勇気を持ってしっかり前の選手につなぐ、そして前の選手が勇気を持ってプレーすることが必要なのかなと思います」
この日、ファインセーブを連発し、何度もピンチを阻んだGKホセ・スアレスは雰囲気は悪くないだけに難しいチーム状況も説明する。
「自分が良いパフォーマンスをするよりもチームの勝ち負けだと思っているので、個人的にはひどいパフォーマンスであってもチームが勝つことのほうが自分にとっては良いと思っています。
何を変えなくちゃいけないというのは正直分からない部分がありますが、常に僕たちは最善の準備をして、特に今週良いトレーニングも積み、スタジアムのロッカーもすごく前向きなメンタリティ、言葉が出ていました。
ただそのなかで選手たち個々が頭の進化、そこを変えないといけないとも思います。それは戦術的なものなのか個人的なものなのか、正直分からないですが、ただ、何かを変えなくちゃいけない。そこはやっぱり個々の考え方だと思います。そしてサポーターのために戦わなくちゃいけません。チームとして試合ごとにフィードバックも常にしていますし、進むべき道を外れてはいけないとも感じます。同じレールをみんなが同じ視線で進まなくちゃいけません。
個人としてもスペインで同じような状況を過ごしたことがあり、前を向く以外ないと思っています」
口で言うよりかなり難しいことではあるが、やはり最善の準備をJ1のピッチでも表現する勇気、判断力が今のチームには必要なのだろう。
3連敗という結果にもサポーターからは声援が飛んだ。その光景にホセは真剣な表情で口を開いた。
「正直、今言えるのは試合が終わったあとにああいう風にもらった声援に値しないと思っています。90分間、ずっと歌い続けてくれている彼らの声援に正直応えられていないですし、最後まで信じてくれるのはありがたいことです。でも我慢し続けてくださいと言うつもりはありません。僕らは本当に頑張るしかありません」
チームとして新戦力も加わり、人が変われば調整が必要なだけに模索の日々は続くだろう。百年構想リーグでも課題としてあり続けたJ1基準へのアップデートも高い壁となっている。
もっとも、粘り強く、魂を燃やしながら、全員の力でJ2を勝ち抜いたチームは、こんなところで崩れるほどやわではないと信じたい。日常を大切にし、“当たり前のことを当たり前にやる”をテーマに互いに求め合う集団として、守護神の言葉のように愚直にでも前に進み続けるその姿こそ、多くの人が望んでいるに違いない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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