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ライス関町知弘が語るメトロンズ、23年来の同期と挑む“演劇”「今、青春してる感じ」

ライス関町知弘が語るメトロンズ、23年来の同期と挑む“演劇”「今、青春してる感じ」

 しずる、サルゴリラ、ライスの3組と、作家・演出家の中村元樹による7人組演劇チーム「メトロンズ」。第11回公演『金持ちに好かれなくちゃ!』が、9月2日から20日まで東京・赤坂RED/THEATERで上演される。
 脚本を手がけるのは、前回に続いてしずる・池田一真。今回は2公演ぶりにメトロンズのメンバー6人のみが出演する。
 ライスは2016年、サルゴリラは2023年の「キングオブコント」王者。しずるも2025年大会の決勝に進出した。第一線でコントを続けてきた3組が、約1カ月にわたって稽古を重ね、“演劇”として一つの作品を作り上げるのがメトロンズである。
 第10回公演は全公演完売。回を重ねるごとに支持を広げるメトロンズの魅力とは何なのか。メンバーの一人、ライス・関町知弘に、23年来の仲間たちとの関係やコントとは異なる舞台づくり、最新作への思いを聞いた。

「リアルな間」を大事にするメトロンズ

【動画】ライス関町知弘が「メトロンズ」第11回公演『金持ちに好かれなくちゃ!』をPR

――前回公演も拝見しましたが、いわゆる「ドカーン」と笑わせるというより、じわじわと面白さが広がっていく印象でした。
関町:そうなんですよ。これといってボケ、ツッコミみたいな、お笑いの感じじゃないんですけど、ちゃんと受けるところは受けて。それも魅力の一つだと思うんですけど、だんだんそこがつかめてきた感じですね。

――公演を重ねる中で、客席の反応を見て演技を変えることもあるのでしょうか。
関町:僕らは普段コントをやっているので、コントでは結構あるんですけど、メトロンズに関しては、あまりちょこちょこ変えないようにしています。そのために稽古期間をがっつり作っているという感じですね。
 なんだったら変な言い方とかも変えないで、そこで固める。受けていようが、変な笑い待ちもせず、その人物がしゃべる「リアルな間」を大事にしています。
 最初の頃は、僕とか(サルゴリラ)児玉とか、お笑い芸人の性で「ここ、もうちょっとこう言った方が受ける」と、本番でやっちゃうことがあったんですよ。その場では受けるんですけど、その後がちょっとブレて、つながっていない感じになってしまう。
 最初の方はよく怒られていましたね(笑)。でも、やっていくうちに「ここは練習通りやらないと、この後の受けが弱くなるんだ」と分かってきました。

23年来の同期「何もかも分かっている7人」

――第11回を迎えます。関町さんにとって、メトロンズだからこそ味わえる面白さは?
関町:根本的に、しずる、ライス、サルゴリラが吉本の養成所の同期なんですよ。しかも全員、コントを主体にしている。同期でコントをやっている3組がこれだけそろうのは、なかなかないんです。
 この3組が集まるからこそできる空気みたいなものが、普通のユニットでは出せない強みなのかなと思います。
 もう一人、演出の中村元樹も同期なんです。もともと芸人だったんですけど、それも含めて全員同期なので、いい意味で気を使わない。
 基本的には演出家が言ったことを受け入れると思うんですけど、僕らの場合、稽古の段階で「ここって、こうした方がいいんじゃない?」と、どちらからでも言える仲なんです。そこはすごくスムーズですね。

――付き合いはかなり長いですよね。
関町:2003年にNSCに入った7人なので、養成所からだと23年です。メトロンズが始まって5年くらいですけど、実質、7人の関係性はもう23年間。何もかも分かっている7人というか。そこの空気感はすごく出ていると思いますね。
 この3組が今も残っていること自体、奇跡だなとも思います。舞台を中心に切磋琢磨してきた3組が集まって「何かやろうよ」となった時のワクワク感が、ずっと続いている感じです。

11回中10回の脚本を担当する池田一真

ライス関町知弘

――今回も、しずる・池田一真さんが脚本を担当しています。
関町:今のところ11回中10回が池田ですね。メトロンズには書ける人が何人かいるんですよ。(しずる)村上も書けますし、うちの相方も書けますし、サルゴリラの児玉も書ける。
 でも、みんな「池田が面白い」というのは共通してあって。「誰が書こうか」となった時、率先して「頼むから俺に書かせてくれ」と言ったのが池田だったんです。

――すんなり池田さんに決まった?
関町:「いや、俺が」というのはなかったですね(笑)。みんなコントは書いていましたけど、5分、10分ではなく90分の一本を書くとなると、ノウハウが全然分からなかった。
 池田ももちろん怖かったと思いますけど、「書きたい」と言ってくれたので、まず池田に書いてもらおうと。それが評判も良かったので、池田自身も楽しさを覚えたんじゃないですかね。
 みんなのことを知っているので、当て書きじゃないですけど、「この役は誰々にやらせたい」というのも、だんだん出てきたと思います。

「お金」で見えてくる人間のいい部分と悪い部分

――第11回公演のタイトルは『金持ちに好かれなくちゃ!』です。最初に聞いた時は、どんな印象でしたか?
関町:最初は池田から「お金に関する話で、お金と人間関係みたいなものを面白く作れたら」というざっくりしたものしか聞いていなかったんです。
 でも、お金って結局みんな好きだし、お金で揉めたりもする。人間のいい部分も悪い部分も詰まっているのが「お金」だと思うんですよ。
 物語は、お金持ちからお金をもらうところから始まるんですけど、そこから「友達だったら普通どう言うか」みたいなところを通して、少しずつ人間関係が見えてくる。
 見に来てくれるお客さんによって、たぶん感情移入できる人物が変わると思うんです。お金をあげる人もいるだろうし、お金をもらった経験がある人もいるだろうし、友達にそういう人がいた人もいる。
 ありえない人物も出てくるんですけど、「でも、いるよな、こういうやつ」っていう。前回もそうだったと思うんですけど、「分かる、こういう気まずい空気あるよな」というところは、今回もすごく楽しめると思います。

40代で味わう「青春」

――現在の稽古場はどんな雰囲気ですか?
関町:とにかくいいですね。デビューしてからずっと一緒にやっているので、もうお互い家族みたいな感じなんですよ。ビジネスパートナーであり、大親友でもあるみたいな。
 お互い「これを言われたら嫌だろうな」ということも分かっているから、変な喧嘩にもならない。いい感じに歳も重ねて、みんな大人になっているので、変な突っかかりもないし。ただただ楽しいですね。
 今回、特に夏の8月にがっつり稽古をやっているので、単純に「青春」してる感じなんですよ。もう40前後を超えてますけど(笑)。

――稽古後に食事へ行くことも?
関町:行ったりしますし、お昼休憩で全員でご飯を食べに行くこともあります。とにかくストレスがないんですよ。
 稽古時間が長くても、少しでも嫌だったら「長げえな」と思うじゃないですか(笑)。でも、ずっと楽しくできている。それが稽古の内容にも伴ってきていて、ものすごくいい稽古ができています。

サルゴリラ児玉は「勝手にエースって呼んでる」

――長く一緒にやっていても、「この人はすごい」と感じる瞬間はありますか?
関町:サルゴリラの児玉ですね。メトロンズのリーダーでもあって、最初に「やってみないか」と言ったのも児玉なんです。
 児玉は昔から、ものすごく愛くるしいキャラクターを出せる。爆発的な笑いを取れる演技をするのが児玉なんですよ。お客さんが一見さんかどうかも関係なく、「結局、児玉めちゃくちゃ受けてたな」となる。
 昔、先輩の又吉(直樹)さんがよく表現していたんですけど、「野性的なプレイヤー」というか。努力して練習すれば出せるという感じじゃない。養殖じゃなく天然の、息の良さみたいなものがあるんです。
 しかも、ずるいんですよ(笑)。実は児玉が一番、言い方とかを変えるんですけど、それがちゃんと許される範囲で、笑いも取る。勝手に僕は「エース」って呼んでいます。
 ただ、メトロンズの良さは、今のところ“死に役”がいないことだと思っています。目立たなくても物語として重要な役はありますけど、みんな一か所は絶対に見せ場がある。
 最後の方にしか出てこない人でも、そこにはちゃんと意味があって、最後にパンと回収して、ものすごくインパクトのある演技をする。それをどの役でもみんなができるというのは、すごいことだと思いますね。

ライス関町知弘

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