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開幕3連勝も鹿島らしくない失点が続く背景。裏にあるバージョンアップへの挑戦と鬼木達監督の愛情と覚悟

開幕3連勝も鹿島らしくない失点が続く背景。裏にあるバージョンアップへの挑戦と鬼木達監督の愛情と覚悟


[J1第3節]鹿島 3-2 福岡/8月22日/メルカリスタジアム

 開幕から3連勝。

 連覇を狙う鹿島が改めて勝負強さを見せている。

 3-4-2-1で組織的な守備と機動力を活かした攻撃を見せた福岡に大いに手を焼いたが、要所でしっかりネットを揺らし勝ち切るところはさすがである。

 もっとも開幕から3戦で計6失点。9ゴールを重ねている点はポジティブも、どこかピリッとしないのも本音だろう。

 もっともそれはチームのバージョンアップに挑んでいるからこそ。特に補強の目玉であるボランチのマテウス・ブエノをチームに組み込む作業は道半ばで、攻撃面で他の選手にはない感性、特性を持つこの助っ人を、守備強度の面でも“鹿島基準”に引き上げるには、周囲との連係を含めて時間が必要である。

 ただ、鬼木達監督は、マテウス・ブエノを開幕3戦、すべてで先発起用し、同じくユース育ちの新星、18歳FW吉田湊海も2トップの一角やサイドハーフで開幕から先発に抜擢し続けている。ともにフル出場こそないが(吉田は2試合でハーフタイムで交代)大きな期待をかけていることは明らかで、このふたりを含め、今後のために様々な組み合わせ、バリエーションを試している最中だから粗さが出てしまうのも承知のうえなのかもしれない。もっとも、そこで勝ち切るのがやはり“鬼木アントラーズ”であり、指揮官も振り返る。

「(福岡戦は)なかなか自分たちらしいプレーを多く出せたかと言うとそんなに多い時間ではなかったと思いますが、それでも色んなシチュエーションのなかでしっかり勝っていける、いろんな組み合わせのなかでも勝っていける。また1試合目から変わらないのはあとから出てきた選手が本当にエネルギーを持って出てきてくれています。その意味で言うと、チーム力で、このまま簡単には、難しいゲームを解決できないかもしれませんが、それでも勝ちながらしっかり進んでいきたいです。

 完璧ではないですが、少しずつ勝ち続けていくことで自信をつけていきたい。ただ、選手には言いましたが、チャンスの数を相手に与えすぎている。ここは修正しないといけない。それが結果的にボールへのアプローチのパワーがなくなってきている。誰が出てもそこはもう一回やりたいです」
 
 そしてマテウス・ブエノをチームに組み込む作業に関して聞くと、選手のことを第一に考える鬼木監督らしい愛のある言葉が返ってくる。

「彼(ブエノ)ともかなりコミュニケーションを取ってやっていますが、まずは『鹿島の強度』に、それはゲームだけでなくトレーニングもそうですが、そこに慣れることで、慣れるにはやっぱり時間がかかります。でも、本人にも話しましたが、これは当たり前のことで、普通のことで、自分も当たり前のように受け入れていると言いますか、試合に対してベストな頭と身体を持っていけているかというと、試合とトレーニングのハードさでまだまだそういうところはできていないかなと思います。

 ただ、そこから逃げずにブエノだけでなく、(吉田)湊海もそうですが、守備で追われたり、そういうところで強度に耐え切れず良さがふたりとも出ていないところもあるかもしれませんが、同じような話をしていますが、それは慣れていくしかないし、時間が必要かなと思っています。どんなにスーパーな選手でも、新しいチームでやるのは時間がかかるので、自分も覚悟してやっていますし、ただ、必ずもっともっとチームの力になると思っています」

 そして若きFWのことも慮る。

「本番での強度にどれだけ慣れていくか。湊海も若いですし、時間を必要としているので、焦りを与えずにやれればなと思います。本当に能力のある選手なので。ただ僕ら以上に焦り『なんとかしなきゃ』と思うタイプなので、それは彼らしくて良いのですが、彼の良さ、ゴール前の落ち着き、技術をしっかり出せるところを活かして、戦っていければと思います」

 また経験豊富な鈴木優磨も「試合を重ねていくしかない」と語り、後輩FWには「試合をやりながら相手がどこを嫌がっているかなどやっていくしかない。今は支えていきたい」とエールを送る。

 その点では全力で勝利を求めることは大前提として、守護神の早川友基の言葉は頼もしい。

「それ(勝ち切る強さ)があるから、色々トライできる。今日も自分もいくつかトライして上手くいかないところもありましたが、“勝てるでしょ”ぐらいの気持ち、“点を取れるし”ぐらいのスタンスで自分はやれていますし、そこはみんなを信頼しており、それだけの結果を残してくれるからこそで、色んなトライをして全員がプレーの幅を広げてもっと良いサッカーをできればと思います。

 自分たちがボールを持って動かしたり、揺さぶることで、かなり相手は疲弊すると思いますし、前節、前々節は相手が苦しくなったので、終了間際に点を取って勝てているのは絶対あると思います。それをしっかり続けていくことが大事だと感じます」

 かつて鬼木監督が率い、歴史に残る成績を残した川崎では“勝ちながら修正”という合言葉があった。

 鹿島に流れているのもまさにこの好循環で、様々なトライ、新戦力との融合を図りながらも勝利を収めているところに、今後の伸びしろをさらに感じさせる。

 失点が続いている面は不安も、このまま進化していけばどんなチームになるのか、その期待のほうが個人的には大きい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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