人気コスプレイヤー・えなこが、コミケ新作写真集で衣装のパンツを前後逆に履いたまま撮影していたことを告白した。一方、8月23日のXでは自身の熱い持論を投稿。17年間活動を続ける彼女が語った、コスプレへの思いとは。
「コスプレ=自己満足の世界」だけど…熱い思いを告白
人気コスプレイヤー・えなこが、またひとつ“伝説”を作った。
8月15、16日に東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット108(C108)」。えなこは16日に自身のサークル「えなこみゅ」で参加し、新作写真集やグッズを頒布した。
本人によれば、頒布物はすべて完売。現在もコミケで販売する写真集やグッズを自ら制作しているという。
そんな新作写真集をめぐり、後日、思わぬハプニングが判明した。
えなこが21日にInstagramのストーリーズで明かしたところによると、写真集で着用した競泳水着風の衣装のパンツを、なんと前後逆に履いていたというのだ。
本人は撮影時には間違いに気づかず、衣装メーカーならではの大胆なデザインだと思って、そのまま撮影を続行。その写真は実際に写真集にも収録されたという。間違いすら作品の“味”になってしまうあたり、ファンからすれば思わぬボーナスだったのかもしれない。
だが、えなこの凄さは、こうした話題性やビジュアルだけではない。
そのことを改めて感じさせたのが、8月23日にXへ投稿した、コスプレに対する長文のメッセージだった。
えなこは、コスプレについて人それぞれ異なる定義や思想があることを認めたうえで、それを他人に「押し付けたり否定したりする世界にはなってほしくない」とつづった。
そして自身がコスプレを始めた17年前を振り返り、当時はメイクやウィッグのセット、衣装制作まで自分で行うことが当たり前だったと説明する。
長く続けてきた人ほど、「昔はこうだった」「本来はこうするものだ」と言いたくなるものだ。
ところが、えなこは逆だった。
長いキャリアを持ちながら、衣装を自作しない人や、ウィッグやカラーコンタクトを使わない人についても、それだけで「コスプレイヤーではない」「作品愛がない」とは考えないという。
その理由として掲げたのが、「コスプレ=自己満足の世界」という言葉だ。
この考えは、最近突然言い始めたものでもない。えなこは過去のインタビューでも繰り返し、「コスプレは自己満足の世界」だと語り、他人の表現を否定しない姿勢を示してきた。
ここに、えなこが長くトップランナーであり続ける理由のひとつがあるように思える。コスプレは、作品やキャラクターに対する愛情が強い世界だからこそ、ときに「解釈の正しさ」や「完成度」をめぐって対立が起こる。
着用ミスさえも魅力に映るえなこの凄み
こだわりが深くなればなるほど、自分の基準を他人にも求めたくなる。しかも彼女自身は、決して「こだわらない人」ではない。
過去のインタビューでは、キャラクターのイメージを壊さないことや、作品・キャラクターを尊重する姿勢を語っている。つまり、自分自身には高い基準を課しながら、それを他人にまで強制しないのである。
そこが重要だ。「自由だから適当でいい」ではない。自分は自分なりに徹底的にこだわる。しかし、別の人には別の楽しみ方があることも認める。
えなこはコスプレを入口に、グラビア、テレビ、YouTubeなど活動領域を広げてきた。2021年には1カ月で15誌の表紙を飾る“表紙ジャック”も実現。現在の所属事務所も、えなこを筆頭に複数のコスプレイヤーやインフルエンサーを抱えている。
趣味文化として発展してきたコスプレを、雑誌グラビアやテレビ、広告など、より広いエンターテインメント市場につないだ象徴的な存在のひとりと言えるだろう。その分、「もはやコスプレイヤーではない」と見る人が現れることも、本人は理解している。
今回の投稿でも、そう考える人を否定しないとしたうえで、それでも「それぞれが自分の好きな形でコスプレを楽しめる世界」であってほしいとの思いを示した。
17年間活動を続け、コスプレイヤーとして大きな成功を収めながらも、それでも自分のやり方を“唯一の正解”にしない。むしろ、後から入ってくる人たちの自由を認める。えなこの本当の凄さは、そこにあるのかもしれない。
パンツを前後逆に履いたまま写真集にしてしまったハプニングも、どこか象徴的だ。
「正しい形」から外れてしまっても、それが魅力的なら作品になる。
完璧でなくてもいい。決められた型にはまらなくてもいい。もちろん本人にとっては単なる着用ミスだっただろう。だが、17年間コスプレを続けてきたえなこが語った「自分の好きな形で楽しめる世界」という言葉と重ねると、偶然にも妙に彼女らしいエピソードに見えてくるのである。
文/集英社オンライン編集部

