現地時間8月16日(日本時間17日)、ジャマール・クロフォード(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)がポッドキャスト番組『Cousins with Vince Carter & Tracy McGrady』にゲスト出演。共同ホストを務めるヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)、トレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)とトークを展開した。
変幻自在のハンドリングを武器に得点を稼ぎ出すスコアリングガードのクロフォードは、20年のNBAキャリアで16度の平均2桁得点、4シーズンで平均18点をクリア。ベンチから大量得点をあげて試合の流れを変え、最優秀シックスマン賞を3度も受賞してきた。
ただ、クロフォードのリーグ内における立ち位置はあくまで“ロールプレーヤー”。試合によってトップスコアラーとなる日もあったものの、たとえばクリッパーズでは主軸のブレイク・グリフィンやクリス・ポールを補佐する役割だった。
現代NBAで、チームの看板を背負うスター選手たちをピックアップするとキリがない。ウエスタン・カンファレンスで言えば、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)、サンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマらが挙がる。
両選手はリーグトップレベルの実力者で、優勝候補の一角かつMVP候補でもある。サンダーではエイジェイ・ミッチェル、スパーズならデビン・ヴァッセルといった得点力が売りのロールプレーヤーたちがいるが、時には彼らがエースを差し置いて自身でショットまで持ち込むケースもある。
それはチーム内における役割や優先順位、あるいは2000年代と比較して、選手たちのスキルレベルが上がったからとも言える。
それでも、クロフォードは「ロールプレーヤーがスター選手と同じような早さでショットを打てなかった時代が懐かしい。スター選手たちは、その地位を自らの実力で勝ち獲ったわけだからね。(NBAで)そういう権利を勝ち獲る必要があった時代を寂しく思うよ」と語り、こう振り返っていた。「今ではロールプレーヤーが、私みたいなタイプの選手がベンチから出てきて、1試合で3ポイントを18本も打つことだってあり得る。どうしてそんなことが可能なんだ?そんなの本来の姿じゃない。そういうプレーはKD(ケビン・デュラント/ヒューストン・ロケッツ)やT-Mac(マッグレディ)、ヴィンス、AI(アレン・アイバーソン/元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、コビー(ブライアント/元ロサンゼルス・レイカーズ)といった選手たちに任せるべきだ。
彼らはその権利を勝ち獲ったのだから。ロールプレーヤーというのは、本来彼らを支える立場にあるはずなんだ。だから、2000年代初頭から半ばにかけてのあの時代が懐かしいよ」
今ではコート上にいる5人がポジション問わずに3ポイントを決めることができ、フロアのスペースを最大限に活用して攻めるオフェンスが主流となっている。その過程で、“ノンシューター”が2人いるだけでスペーシングは崩れ、相手にとっては守りやすくなってしまう。
サンダーのSGA、スパーズのウェンバンヤマは、誰もが認めるスター選手なのは間違いない。ただ、いくら彼らが絶好調で40、50点を奪おうと試合に勝てるとは限らない。それは平均得点やペースの上昇も絡んでいて、3ポイントが連続して決まれば15点差でもセーフティリードとは言えなくなった現代NBAならではだ。
クロフォードのようなスコアラーから見ても、2000年代当時と今ではロールプレーヤーの立ち位置や役割が変わったと映っているのだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

