村上宗隆が所属するシカゴ・ホワイトソックスの選手を見渡すと、「売り出し中の若手」が多いことに気付く。チーム全体の打撃成績を見て分かるのは、ホームラン王争いに加わっているのが村上だけではないということだ。
26歳のミゲル・バルガスもここまで村上と同じ29本塁打を放っており24歳のコルソン・モンゴメリーは27本塁打。ア・リーグ本塁打王ランキング10傑に3選手が入っているチームは、ホワイトソックスだけである。
チーム別本塁打数はというと、ホワイトソックスは174本塁打でア・リーグ中地区ではダントツ。リーグ全体で見ても、東地区のヤンキースが179本、西地区のアストロズが173本。つまり、昨年まで3年連続100敗以上を記録していたチームが、強力打線で知られるヤンキース、アストロズと互角に打ちまくっているわけだ。
ちなみに大谷翔平のいるドジャース(ナ・リーグ西地区)の総本塁打数は167本。ホワイトソックスは有名、人気選手が揃っている「銀河系軍団」よりも、ホームランが多いのだ。
振り返れば8月22日(現地時間)、クローザーに配置転換されたメッツ・千賀滉大がサヨナラ本塁打を献上したのは、ホワイトソックスの8番打者トリスタン・ピーターズだった。この前日の時点で、配置転換後の千賀の防御率は1.85であり、アメリカの野球メディアも千賀のリリーフ適性を認めていたが、
「打ったバッターを褒めるべき。千賀の調子が悪かったわけではありません」(現地記者)
有望マイナー選手をもらいドラフトでの指名順位は高い
千賀を仕留めたのピーターズは昨年オフ、タンパベイ・レイズからトレードでやってきた26歳で、昨シーズンにようやくメジャーリーグ・デビューを果たした若手である。
「今年5月にメジャー初ホームランを放ち、7月にサイクル安打を達成した売り出し中の外野手です。代役ではありましたが、今夏のオールスターゲームにも出場しました」(前出・現地記者)
3年連続100敗超のホワイトソックスは主力選手をシーズン中に放出し、有望なマイナー選手をもらってきた。地区優勝争いで下位に沈んでいたのでドラフトの指名順位は高く、好選手を獲ることができた。
「素質のある若手が村上に触発され、素質を開花したと言っていいでしょう」(前出・現地記者)
千賀が食らったサヨナラ弾は、ホワイトソックス黄金期の到来を表していたのではないだろうか。
(飯山満/スポーツライター)

