前月分の支出を見直し、費用の割り振りを
1カ月分の家計簿をつけ終わったら、費目ごとに集計し、何にいくら使ったか確認しましょう。
コンビニでの買い物や、自販機でのジュース、外食が思ったより多かったなど、何らかの気付きがあるのではないでしょうか。ここでは、お金の使い方のクセを知ることがポイントです。
次に、それらの費目を固定費と変動費に分けて考えてみましょう。
固定費
・家賃
・通信費
・習い事代
・生命保険料
・奨学金の返済 など
変動費
・食費や日用品
・水道・光熱費
・医療費
・被服費 など
ストレスなく貯蓄体質になるには、固定費を先に見直すのがコツです。一度見直せば、継続的にその効果が続くからです。例えば、通っていないジムの退会や、過剰な生命保険の加入は見直しやすいポイントです。音楽配信や漫画の読み放題などのサブスクは、似たサービスを重複して契約していないか確認しましょう。
次に変動費を考えます。例えば、スーパーでの特売品のまとめ買いが無駄遣いにつながるケースも。結局使わずに廃棄してしまったなど、かえって無駄遣いになっていないかどうかも振り返ってみましょう。
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預金だけじゃない「先取り貯金」のやり方
貯金を増やす
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家計簿を付けて自分のお金の使い方や見直しポイントが分かったら、次に毎月いくら貯金するか目標を立てます。そして「先取り貯金」をしましょう。給料日に、給与口座から貯金用の口座へ自動引き落としを行う設定さえすれば大丈夫です。
また、職場で天引きができる財形貯蓄や社内預金も検討しましょう。職場の積立制度の良いところは、給与から天引きされるため、最初から無いものとして貯められる点と、金利が一般的な預貯金より有利なことがある点です。職場の貯蓄制度がない場合は、銀行で積立定期預金の口座を作ると良いでしょう。
慣れてきて貯金ができるようになったら、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を考えてみましょう。預貯金は元本割れをしないため安心ですが、ゼロに近い金利ではほとんど増えないばかりか、このインフレ下でお金の価値は目減りしてしまいます。NISAやiDeCoの制度を使って資産運用にも視野を広げましょう。
これらの制度は、利益に税金が掛からないためお得です。ただし気を付けたいのは、どちらもリスクが伴う点。少しずつ積み立て、じっくり長期で運用するのがコツです。なお、iDeCoは老後資金を作るための自分年金制度ですから、60歳まで原則引き出すことができません。ただ、掛け金が全額所得控除されるため、年末調整で所得税が戻ってくる楽しみも味わえます。無理のない金額から始めるようにしましょう。
勤め先によっては、貯金の積立制度以外に、自社の株に積み立てる持株会や、職場積立NISA、企業型DC(企業型確定拠出年金)があるかも知れません。持株会では10%の奨励金が付与されるというようなケースもあります。しかし、預貯金の多くが持ち株となると、会社が倒産した時に、失業と株価の暴落が同時に起こり得るため、適度な金額にしましょう。
職場積立NISAは、給与天引きでNISAに積み立てる制度です。企業型DCは、職場の退職金制度ですが、天引きで掛け金を上乗せできるようなら活用を検討しましょう。こちらもiDeCo同様に掛け金の全額が所得控除の対象になるので節税につながります。