コム・デ・ギャルソン【2024年春夏パリコレクション】

2024年春夏のパリコレクション。モードの最高峰といわれるパリならではの多彩な新作が披露された。それらの中から、マリ・クレールデジタル編集長の宮智泉が注目のブランドをピックアップ。

「気が滅入るようなグルーミーな(暗い)状況の中、明るく輝く未来を期待したい」。これが今シーズンの川久保玲のメッセージだった。

19体の服は極端なほどに大きく膨らみ、服というよりはオブジェのよう。ほとんどにプリント柄を使っており、色の爆発と言ってもいいほど多色で色鮮やかだ。布にシャーリングをかけてあるため、もともとの柄がまた違った風に見える。それだけでなく、服全体に独特の立体感を生み出した。

また足元を見ると、きらきら光る花のモチーフなどの飾りをいっぱいつけた靴が、実にかわいい。

服の作り手たちのエネルギー、そして出来上がった19体の服が発するエネルギーと美しさが相まって、会場は拍手が鳴りやまず、えも言われぬ高揚感に包まれた。

text: Izumi Miyachi

ノワール ケイ ニノミヤ【2024年春夏パリコレクション】