かつての人生テンプレ「アラフォーで新築の家を買う」は今も有効か

ライフプランはある程度はテンプレート化することができます。多くの人が似たような人生を送る傾向はあるからです。

「就職」→「結婚」→「子どもの誕生と子育て」→「住宅購入」→「老後の資金準備」→「引退とセカンドライフ」

のような感じです。しかし、ライフプラン3.0世代的には違和感を覚えるはずです。みんながみんな、一直線の双六のような人生と言うわけではないからです。

強いていえば、「引退とセカンドライフ」についてはほとんどの人が当てはまりますが、そこに至るまでの人生は、まさに十人十色です。

もうひとつ共通項があるとしたら「住宅」です。それが実家暮らしなのか、一人暮らしなのか、賃貸なのか、持ち家(住宅ローンを返済しながら)なのかはともかく、私たちはどこかに住環境を持たなければならない、ということは確かです。

それでも「アラフォーで家を買う(住宅ローンで)」というテンプレートは若い世代に当てはまらなくなっています。

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空き家が増える?買わなくても「親の家」がある?

人口減少社会の到来は日本の社会のあり方を大きく変えています。戦後一貫して、日本は住宅不足だと言われ、新築住宅が大量に供給されてきました。しかし、人口が減少すれば住宅は余り始めます。単身者世帯が増えていく傾向があるものの、新しい家を建て続ければいつかは部屋が余り始めます。

2019年に野村総合研究所が発表したレポートでは、全国の空き家率を13.6%としています。新築の件数と取り壊した家屋の件数を分析すると、空き家が増え続けている傾向があるといいます。

あなたの両親は賃貸ではなく、自分の持ち家に暮らしている(あるいは住宅ローンを返済中)のではないでしょうか。だとすれば、その家はいつかあなたに相続されることになります。

親とすでに同居している、あるいは将来は親と同居し、親の所有する住宅に住み続けることを考えているのであれば、「家を買う」という問題からは解放されることになります。

しかし、兄弟姉妹がいて、すでに親と同居している場合は、そこに自分も同居するというのはなかなかうまくいかないでしょう。あるいは、親が家を売って老人ホームに入居する費用に充てる可能性もあります。

このあたりは家族と話し合ってみる必要があります。