2015年に子宮頸がんが判明した、とりだまり まどさんの闘病体験を描いたマンガ。おなかの膨らみが大きくなっていることに気付き、婦人科を受診したとりだまりさん。その後、がんの専門病院で詳しい検査を受けた結果、がんが確定しました。子宮頸がんの手術では、子宮と卵巣を摘出しました。腫瘍が4cm以上あり、ステージが1B1期→1B2期へとランクアップしてしまいました。

大切な人に見せびらかしたいくらい

子宮頸がんの手術が終わり、退院して自宅に戻ったとりだまりさん。体力回復のため、とにかく歩く生活を始めました。座っていることが一番しんどかったので、2時間おきくらいにこまめに横になることに。その際、脚がむくまないようにクッションなどで10cm程度の厚みを作って、脚を心臓の位置より少し高めにするようにしていました。

術後、シャワーのたびに手術痕を見て思うことがありました。それは意外にも……。







子宮頸がんで子宮や卵巣を摘出すると、下腹部に20〜30cm近い傷が、残念ながら残ります。

ただ、私はこの傷痕が嫌ではありません。無理しているわけではなく、「なかなか、かっこいい」と本気で思うのです。

というのも、ある友人に会ったからで……。













「手術の傷痕は、私を生かしてくれた勲章!」

そう教えてくれたSは、しんどいことも、嫌なことも、鼻で笑い飛ばして自力でキラキラに変えてしまう、最高に魅力的な友人でした。

彼女にそんなふうに言われた後は、脇腹のケロイド状の傷が本当に特別なものに見えて、「なんてかっこいい傷痕なんだ!」と思ったことを覚えています。

それに、彼女が大切な宝物を見せようと決めた仲間の1 人に、私を加えてくれたことが、ものすごくうれしかった。

その瞬間から、私にとっても彼女の傷痕は、彼女を生かしてくれている宝物になったのでした。

だから、私のおなかにも30cm近い大きな手術痕が残ったけれど、この傷は私にとって、同じくすごくかっこいいものです。この先、医療技術が発達して、手術痕をきれいに消せるようになったとしても、絶対に消さないと思います。

それくらい気に入ってます。だって、みんなが助けてくれて、私も頑張って、そんなことの象徴なので。

あのとき、友人のSがくれたキラキラは、20年近くたった今も、私の中に残っていて、ずっと私を助けてくれています。
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友人Sさんのおかげで、自分の手術痕を勲章だと思えたと、とりだまりさん。そうポジティブに考えられるとりだまりさんも、とてもすてきですね。

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著者/とりだまり まど
フリーライター。39歳で子宮頸がん(ⅠB2期)が見つかり、子宮・卵巣摘出、薬物療法(抗がん剤・シスプラチン)と放射線治療を経験。治療体験を描いたブログ『今日のもイキイキと弱音を吐きます』をゆるゆると更新中。