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●大阪・本町にある人気店『土鍋ごはんあお』。素材や炊き方にとことんこだわった「土鍋ごはん定食」を食べてきた。

 大阪メトロ本町駅、堺筋本町駅直結の「船場センタービル(通称、せんびる)」は、1970年創業の巨大ショッピングビル。1号館から10号館までの東西約1000mに、繊維問屋や衣料品店、雑貨店など約800店舗が軒を連ねています。問屋街として知られていますが、串カツやラーメン、寿司、居酒屋など、安くて旨い飲食店が集結したグルメ激戦区でもあるんです。


ビジネスマンに愛される名店

 その中で最近注目を集めているのが、2022年にオープンした『土鍋ごはんあお』。大阪のローカル番組で紹介され、SNSでも話題になっている人気店です。カウンター8席だけの小さな店内は近くで働くビジネスマンで常に満席で、行列ができることもあるそう。今回は、土鍋ごはんと化学調味料不使用の手作りおかずが楽しめる「土鍋ごはん定食」を食べてきました。


土鍋が並ぶ清潔な厨房

 同店の名物は、店名にもなっている土鍋ごはん。厨房には滋賀県信楽の老舗窯元「雲井窯」の土鍋がずらりと並んでいます。雲井窯の土鍋は一般的なものと比べて2~3倍分厚いため遠赤外線効果でじっくりと熱が入り、ふっくらと仕上がるそうです。

 使用するお米は、富山県サカタニ農産のこしひかり「ワールドエース」。毎日お店で精米し、高い浄水性能を持つ浄水器・エバーピュアを使ったお水で炊くなど、こだわりが詰まっています。

 お米の品種は時期によって変わるので、訪れる度に新しい味と出会えるのも魅力。また、常に熱々を提供できるよう小さい鍋で何度も炊いているため、タイミングがよければ炊き立てが食べられますよ。

おかわり必至! 体が喜ぶ「土鍋ごはん定食」


「土鍋ごはん定食」1200円

 ランチメニューは「土鍋ごはん定食」のみ。おかずは日替わりで、取材日はチャーシューと蒸し鶏(鶏胸肉)、鶏つくねのお味噌汁、たけのこの煮物、千枚漬けと高菜がついていました。お店のSNSにメイン料理が紹介されているので、チェックしてから訪れるのがおすすめ。最近は「チャーシュー&蒸し鶏」と「香味豚&蒸し鶏」を交互に出しているようです。

「どちらか一品でも、盛り合わせでもいけますよ」とのことだったので、盛り合わせをオーダー。目の前で大きな塊肉を切り分けてくれるので、待っている時間も楽しめました。


粒立ちがよく艶やかなごはん

 お茶碗にこんもりと盛られた土鍋ごはんはふっくらツヤツヤで、粒がしっかり立っています。口いっぱいに頬張ると香りと甘みが広がり、思わずため息をついてしまうおいしさです。

 白ごはんが大好物な筆者。家でも土鍋で炊いているのですが、いつも食べているものと全く違います。土鍋が違うからなのか、品種なのか、炊き方なのか……お米の良さが最大限に引き出されていて、おかずなしでバクバク食べてしまいました。


ごはんが進むテリテリチャーシュー

 メインのチャーシューは、断面がきれいなピンク色で外側はテリッテリ。赤身と脂身のバランスがよく、噛めば噛むほど肉の旨味が溢れ出します。低い温度でじっくり火を通しているらしく、お箸ですっと切れるほどやわらかい。しょうがや八角の風味が効いた甘めの味付けで、ごはんとの相性が抜群です。


旨味溢れるしっとり蒸し鶏 [食楽web]

 蒸し鶏は胸肉とは思えないほどしっとり。あまりにおいしくて店員さんに作り方を聞いてみると、塩麹に一日漬け込んで低温調理しているそうです。上は濃厚なごまだれがかかっていて、これまたとんでもない飯泥棒。食べる手が止まらなくなり、一瞬でお茶碗が空っぽになりました。

 ちなみに、ごはんは1回無料でおかわりできます。もちろん大盛りをおかわりして、1杯目はお肉と一緒にガッツリと、2杯目は副菜や漬物をお供にお米本来の味をじっくり堪能。日本人に生まれた喜びを噛みしめながら一粒残さず完食しました。

まとめ

『土鍋ごはんあお』は、ツヤツヤの土鍋ごはんと絶品おかずをお腹いっぱい食べられる、体に優しい定食屋でした。炊き立てのごはんが恋しくなったときは、ぜひ立ち寄ってみてください。

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO

店名:土鍋ごはん あお

住:大阪府大阪市中央区船場中央4-1-10 船場センタービル10号館 B1F
営:11:30〜14:00、17:00〜22:00(L.O.21:30)
休:土・日・祝
https://www.instagram.com/donabe_ao326/