2024年3月期の増配企業数が過去最高を記録し、投資家の注目を集めています。本記事では、増配株投資のメリットとデメリット、銘柄選定の方法、そして今後の資産形成戦略について解説します。

増配企業の増加と背景

2024年3月期の決算発表において、増配を実施する企業が過去最高を更新しました。増配とは、配当金を前期よりも増やすことです。日本経済新聞の報道 によると、2025年3月期に増配を計画している上場企業は約900社で、全体の4割に相当し、期初時点としては過去最高となっています。この背景には、企業業績の回復や株主還元への意識の高まりがあります。

特に、コーポレートガバナンス・コードの導入以降、日本企業の株主重視の姿勢が強まっており、配当政策もその一環として重要視されるようになりました。コーポレートガバナンス・コードは、企業の透明性、公正性、責任を確保し、持続可能な成長を促進するためのガイドラインです。取締役会の役割、株主の権利保護、情報開示の強化が含まれます。

増配は、企業が将来の業績に自信を持っているサインとも言えます。安定した収益基盤を持ち、持続的な成長が見込める企業が増配を実施する傾向にあるからです。投資家にとっては、こうした企業の株式を保有することで、長期的な資産形成につながる可能性が高まります。

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増配株投資のメリット


資産を増やす
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増配株に投資する2つのメリットについて解説します。

安定的なインカム収入が狙える

増配株は、定期的に配当が支払われるため、安定的なインカム収入が期待できます。インカム収入とは、投資から定期的に得られる収入のことです。長期保有を前提とした資産形成においては、このインカム収入が重要な役割を果たします。増配が継続されれば、配当の再投資による複利効果が期待できるからです。

複利効果とは、利益を再投資して得た利益にさらに利益が生じる現象です。増配株では、配当を再投資することで複利効果が発揮されます。これにより、長期的には投資リターンが大きく向上する可能性があります。

株価上昇が期待できる

増配は企業の業績や財務状態の改善を示すシグナルとなるため、株価上昇につながる可能性があります。