Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、FPの白浜がお答えします。今回は、投資はギャンブル的で怖いと感じている20代女性からのご相談です。

<20代女性Aさんの相談内容>
預金だけでなく、分散して投資をすることが大事だとお金の本に書いてありました。インフレが起きると預金だと損をするということです。ただなんとなく、投資はギャンブル的で危ないんじゃないか?と、素人考えで思ってしまいます。資産が減って、最悪の場合無くなったりしたら…と思うとなかなか踏ん切りがつきません。実際のところ、投資ってどうなのでしょうか?

投資とギャンブルは似て非なるもの


チャートを見つめる女性
【画像出典元】「iStock.com/standret」

もともと日本人は、資産運用に対する馴染みが薄く「投資」=「投機(ギャンブル)」と思っている人が少なくありません。両者は同じような意味に思えますが、実は、似て非なるものです。

「投機(ギャンブル)」というのは、機会、つまりチャンスを見極めて、資金を投げるイメージのもので、例えば、パソコンの画面で、時々刻々と変化する株価を見ながら、チャンスをねらって短期で売買を繰り返すデイトレーダーがそれです。予想が外れれば、投じた資金は一瞬で大きな損を抱える可能性があります。

一方で「投資」というのはギャンブルとは全く違い、企業に資金を投じて長期的な成長や発展を見守るというイメージです。企業は利益を出すために常に目標を立て、経営をしていくわけです。基本的に企業は長期的に成長していくもの=株価が上昇していくもの、と考えることができます。(中には、株価の低迷が長期で続く企業や、破たんする企業もありますが、ここでは捉え方の説明です。)

恐らくAさんが読まれたお金の本は、ギャンブルではなく「投資」のことが書かれた本だと思います。低金利の今、預金だけではインフレに負けてしまい、資産価値が目減りしてしまうから投資をしましょうということですね。では、投資ならリスクはないのでしょうか?もちろんそれは違います。では、リスクとは何かを次で見ていきましょう。

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株式はハイリスク・ハイリターン、債券は・・・

「リスク」といえば、一般に「危ない」とか損をする「元本割れ」というイメージを持つかもしれませんが、それは少し違います。投資の世界でいうリスクとは、投資した資金が増えたり減ったりと変動しながら(上下にブレながら)推移することをいいます。

大きく変動しやすいものをハイリスクといい、投資した資金が大きく上下にブレるからこそ上振れした時には大きく増やすことができます。反対に、大きく下振れしたら資金が大きく減ってしまうという意味でもあります。これをハイリスク・ハイリターンといいます。一方で、あまり大きく変動しないローリスク・ローリターンの投資もあります。ローリスクでハイリターンのようなうまい話は存在しません。

例えば、昔からあるオーソドックスな投資の対象として株式と債券があります。この2つでいうなら、株式はハイリスク・ハイリターン、債券はローリスク・ローリターンという位置づけになります。つまり、多くの利益を期待したいならブレが大きめの株式投資を、そんなに多くの利益は期待できなくてもいいからブレを抑えたいなら債券投資を選択すればいいというわけです。

しかし、こんな話をすると「大きくブレるのは嫌だ。でもたくさん増やしたい」という声が聞こえてきます。そこで、Aさんも仰っていた「分散」という考え方が生きてきます。次で詳しく見ていきましょう。