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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい! そんなわがままな願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが外食における「若返りやせ飯」の選び方を伝授。今回は、ダイエットとは無縁のイメージが強い中華の老舗チェーン店『餃子の王将』のメニューで解説します。
『餃子の王将』はダイエッターの敵!?
最初にぶっちゃけますが、そもそも中華料理というもの自体、ダイエットや若返りには不向きです。基本、油をめちゃくちゃ使ってるため、総じて高カロリーで脂質過多。しかもその脂質の質も悪い! 良質な脂質の筆頭は魚なんですが、『餃子の王将』のメニューのほとんどが肉や揚げ物。つまり、アンチエイジングとは真逆の老ける油を大量に摂ってしまう料理といっても過言ではありません。
海鮮系としてはエビやイカがあるものの、これらは脂質がほとんど入っていないため、良い脂質目的で摂る食材にはなり得ません。つまり、ダイエットやアンチエイジングにとって重要な“魚を食べる”という必殺技を封じられちゃってるのです。
そのうえ『餃子の王将』では、カロリーを公表していなかったり、店舗別のオリジナルメニューがあったり、店舗によってサラダのドレッシングが異なったりと、難関ポイントが各所に散りばめられています。まさに一筋縄にはいかない相手。この難敵を攻略するには、持てる知識を総動員して、闘いを挑む必要があります。
「餃子」はメインではなく副菜として食べよう!
看板メニューの「餃子」は1人前 6個入
店名にも冠せられている通り、やはり食べたいのは看板メニューの「餃子」。一般的な餃子のカロリーは、1個当たり50kcal前後なので、一皿(6個入)だと約300kcalになります。
カロリー的はそんなに高くないですが、餃子の弱点は、たんぱく質量の少なさにあります。1個当たり1.5g程度しか入っていないため、6個食べてもたったの9g。たんぱく質は女性でも1食あたり20gは摂りたいので、その半分にも及びません。餃子メインの定食(ごはん、スープ付き)にしても、たんぱく質量がせいぜい10g程度と、全然足りない状況に陥ってしまうのです。
スープ、ごはんがついた餃子セット
ただ、カロリー的にはそんなに高くないので、副菜やつまみとして食べるのはOK。「ジャストサイズ」という小さいサイズメニューを活用するのもおすすめです。
“ちょい食べ”を叶えるジャストサイズで満足感を高める
『餃子の王将』には、量が少ない「ジャストサイズ」メニューがいろいろあります。実はこれ、ダイエット的には大変優れたシステム。先述した通り、ほとんどのメニューが若返りやせには向かないため、餃子にしろエビチリにしろ、決して推奨できるものではありません。
ジャストサイズのエビチリはいい?
そんなこといったら何も食べられないし、ストレスもたまってしまうもの。ダイエットにとってストレスは大敵! 食べたいものを少しだけ食べるという選択肢があるのはかなりいいことです。
脂質の少ないむね肉を使った「鶏の唐揚」 [食楽web]
ダイエット中は手を出すべきじゃない鶏の唐揚だって、ジャストサイズなら許されるサイズ感。しかも「餃子の王将」の唐揚は、鶏のもも肉ではなく、脂質の少ないむね肉を使っています。もも肉ほど油を吸わないため、大手を振って食べられる唐揚といえます。
ジャストサイズを駆使することで、満足感を高めつつ、罪悪感を減らしてあげると、食事制限によるストレスも回避できますよ。
一品料理ではバンバンジーが最強!
「餃子の王将」メニューの中で、断トツにおすすめなのは「棒棒鶏」です。蒸し鶏の棒棒鶏は、調理で油を使う要素が全くないため、サラダチキンを食べてるようなもの。高たんぱく低脂質で、ダイエットにも若返りにもむちゃくちゃいいです。
油を使わないためヘルシーな「棒棒鶏」 ※棒棒鶏はメニューにない店舗があります。
ただひとつ残念なのが、ごまだれがかかってしまっている点。ごまだれって結構カロリーが高いんですよね。できれば「たれなし」や「別添え」にしてもらったほうが無難でしょう。中華を食べたいわけじゃないのに、ダイエット中に無理矢理連れて行かれたなんてときは、「棒棒鶏」のごまだれなしが最強!
レバーのビタミンAで体の内側から若返る!
一品料理でもうひとつおすすめなのが「ニラレバ炒め」。ダイエット向きの肉といえば、鶏むね、ささみ、豚ヒレ、牛ヒレあたりが有名ですが、実はレバーもめっちゃいいんです!
若返りやせメニュー「ニラレバ炒め」
レバーはその他の優秀たんぱく源に比べると若干脂質が多いものの、それを補って余りあるくらい、圧倒的な鉄分とビタミンA量を誇っています。鉄は男女ともに不足しがちと言われていますが、鉄不足は倦怠感や顔色の悪さを招くため、老け感が出てしまう原因にも。特に女性は月経もあることから鉄が足りていないことが多いため、意識して摂りたい栄養素になります。
ビタミンAは、ビタミンの中でもアンチエイジング効果の高いビタミンA・C・E(エース)のひとつ。そのビタミンA含有量ランキングで圧倒的上位に君臨しているのがレバーです。その含有量は、野菜界ではぶっちぎりのトップを誇るニンジンの10~20倍と、まさにトップ・オブ・トップ。ビタミンAの宝庫と言えます。ちなみに、よく化粧水などに使われているレチノールもビタミンAの一種。外側からだけでなく体の内側からもビタミンAを補給してあげたほうが、アンチエイジングには効果的ですよ。
ビタミンAは、ある程度摂り溜めができるのも良い点。ビタミンCやたんぱく質は摂り溜めができないため毎日摂る必要がありますが、ビタミンAは結構体に残留するため、週1回ドカッと摂るだけでも意外と効果を得られます。
そのため、外食で「餃子の王将」に来たら、レバーでビタミンA補給を習慣にするのもおすすめ。ジャストサイズの「ニラレバ炒め」もあるので、「餃子」「鶏の唐揚」「海老のチリソース」「八宝菜」など、他のジャストサイズと組み合わせて食べるのもいいですね。
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「チャーハン」は老けメニューNo.1 。食べたら動くべし!
中華の定番であるラーメンとチャーハンは、残念ながらどちらもおすすめできません。でもラーメンがどうしても食べたいなら、「忘れられない中華そば」と「五目そば」なら許容範囲。炭火焼きチャーシューを使った「忘れられない中華そば」は、一般的なチャーシューに比べ脂質が若干抑えられるし、「五目そば」なら野菜が少し摂れるから。とはいえ、決して推奨はしませんが……。
そしてチャーハンに関しては……OK要素を見出せるものが存在しません!
チャーハンは自分で作るぶんにはそれほど油を使わないんですが、外食メニューとなると油の量が半端ない! まさしくお米の一粒一粒を油でコーティングしちゃってるので相当ヤバイです。ごはんの量も多いため、脂質だけじゃなく糖質も高く、いわば油と糖の塊を食べてるようなもの。老けるメニューのトップといっても過言ではありません。
油をたっぷり使ったチャーハンは老けメニューNo.1
「それでも食べたい!」って気持ち、よ〜くわかります。実は僕自身もチャーハン大好きで、王将行ったら食べちゃいます。その代わり、“チャーハン食べた日は絶対運動する”というのをルール化。体の中のチャーハンの残留をいち早く消化するべく、必ず運動とセットにしています。食べたことを“なかったこと”にはできないけれど、なるべく早く消化することで、ダメージを最小限に抑えることができます。
【ミニコラム】
Q:食べたらすぐに運動したほうがいい?
A:食後すぐじゃなくても大丈夫。逆に、ダイエットやボディメイク的には、ある程度消化が進んでからじゃないと体に負担がかかってしまうため、筋トレなどの激しい運動は食後1~2時間経ってからのほうが効果的です。食後すぐに運動する場合は、ウォーキングなどの軽い有酸素運動に。食べた直後でも無理がないため、“チャーハン食べたら歩いて帰る”というのをルール化するのもおすすめです。また、食後ではなく食前に運動するのでもOK。運動して胃を空っぽにしてからチャーハンを食べに行けば、むちゃくちゃ消化が早いですよ!
トラップメニューに気をつけるべし
「ダイエット中だからヘルシーに麻婆豆腐にしよう」なんて人もいるかもしれませんが、これはNG。豆腐料理って良いイメージがあるけど、とんでもない! 「麻婆豆腐」は油を使ってる量がえげつない。ラー油が浮き上がっていることからもわかる通り、かなり脂っぽい! 豆腐の良さを簡単に打ち消すほどの威力があります。いいもの食べてる風で食べちゃうと、思わぬしっぺ返しを食らいます。
もうひとつのトラップメニューは「カニ玉」。卵は準完全栄養食といわれるほどの良い食材なんですが、これもまた油が思いっきり使われています。卵自体にある程度脂質があるうえ、油をたくさん吸っちゃていて、栄養バランス的にはかなり脂質が飛び出たメニューになってます。このカニ玉をチャーハンにぶっかけた「天津炒飯」なんてダブルで悪い! 一番ダメなメニューと言えます。
ビールを飲むなら、ごはんは控えめに!
最近、“町中華飲み”が流行っていますが、『餃子の王将』もちょい飲みにも使えるお店。ジャストサイズの唐揚げ、ニラレバ、ビールの組み合わせだったら、たんぱく質もしっかり摂れるし、ビタミンAも摂れるため悪くはないですね。町中華の唐揚げだと、もも肉で油ギッシュで量も多かったりするので、王将のむね肉の唐揚で飲むほうがよっぽど健康的かもしれません。
おすすめのちょい飲みセット。例:鶏の唐揚+ニラレバ炒め+ビール
ただし、ビールはアルコール+糖質なので、ごはんはなるべくカットしましょう。糖質が重複する上、アルコールという無駄なカロリーを摂っている分、どこかで減らさないといけない。ごはんで糖質をカットするのが、もっとも無難な選択肢になります。
結論
たっぷり油を使った中華料理は、基本的に若返りやせには不向き。優秀食材である豆腐も卵も、すべからくNGメニューに変身させてしまうほどの強敵です。良い脂質を摂れない中華料理では、いかにして脂質を減らすかが一番の課題。『餃子の王将』メニューの中では、調理で一切油を使わない「棒棒鶏」がもっとも優秀です。そして普通ならダイエット的にNGの唐揚も、「餃子の王将」のむね肉を使った唐揚なら、意外と脂質が抑えられているため選択肢のひとつになります。
餃子は、メインにしてしまうとたんぱく質量が足りないので、副菜として食べるのが正解。小さなサイズのジャストサイズメニューも豊富なので、「ニラレバ炒め」や「鶏の唐揚」などと組み合わせて食べると、栄養バランスもアップします。
一見、良さげなものがダメで、ダメそうなものが実は良いなど、トラップが多い『餃子の王将』。店舗限定メニューなどは、罠が仕掛けられていることも多いため、できれば通常メニューから選ぶのが無難です。失敗のないメニュー選びで、中華料理で食らうダメージを最小限に抑え、若返りやせを成功に導きましょう。
(語り◎石本哲郎、文◎酒詰明子、撮影◎編集部)
●プロフィール
石本哲郎
女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。