アメリカの人々の平均貯金額は?

【画像出典元】「photoviriya/Shutterstock.com」
そんな貯金事情を踏まえ、アメリカの人々の平均貯金額はいくらなのかを調べてみました。
2024年9月付の米フォーブス誌によると、30歳以下の人々の平均貯蓄額(セービング)は2万540ドル(約314万円)、中央値(平均値より“よりリアル”な数値)は5400ドル(約82万5000円)ということです。20代となるとまだ大学に通っている人もいれば、就職したばかりの初任給で大学の学費ローンを返済している人もいるので、貯金額が低いのも頷けます。
40歳以下の人々の平均貯蓄はというと4万1540ドル(約635万円)、中央値は7500ドル(約114万円)と微増しています。30代になると収入が上がり、貯蓄に回せるお金も増えることを示しています。
貯蓄の理由は、若い頃は住宅購入のため、もしくは失業や病気、車の故障など緊急用の資金のためだったのが、40代を境に老後を見据えたものに移行するようです。
どのくらいの貯金が必要かというのは人それぞれの経済的なニーズ、住んでいる場所を含めた支出の状況によって異なってきますが、経済危機を乗り越えるための緊急用貯蓄に関する一般的なガイドラインは、何もしなくても生活を維持できるように3~6ヵ月分の生活費を用意しておくことだと言われています。
(広告の後にも続きます)
老後のための貯金額は?

【画像出典元】「Jasen Wright/Shutterstock.com」
では老後のために、人々はいくら貯金をしているのでしょうか?
ある資料によると、平均退職貯蓄額(老後のための年金のようなもの。401(k)やIRAなど)は35歳未満で4万9130ドル(約750万円)、35~44歳で14万1520ドル(約2160万円)、45~54歳で31万3220ドル(約4800万円)、55~64歳で53万7560ドル(約8220万円)という調査結果があります。
生活費も家賃も日本に比べて高いアメリカでは、老後に必要な資金も当然高くなるようです。
また中央値は35歳未満で1万8880ドル(約288万円)、35~44歳で4万5000ドル(約690万円)となっています。
近年、アメリカ人の貯蓄が減っている兆候があるという情報もあります。2024年のある調査によると、69%の人はインフレによる影響で貯蓄にそれほど多くを投入できておらず、42%の人がお金が足りないことから退職貯蓄額からお金を引き出したといいます。このように、折からのインフレは人々の生活、そして老後プランにも影響しているようです。人々が直面している深刻な経済的課題となっています。