長期優良住宅の認定を受けるデメリット
長期優良住宅はメリットだけでなくデメリットもあります。以下でくわしく解説するように、デメリットのほとんどは認定を受けるためのコストや時間、手間などです。
1.建築コストが高くなる
2.申請のための手間や時間、費用がかかる
3.定期点検やメンテナンスの手間と費用がかかる
どれもメリットを享受するためには必須の事項ですが、知らずに申請して後悔することのないよう、事前に押さえておきましょう。
こちらの記事から、長期優良住宅の申請をして後悔しないためのポイントもチェックしてみてください。
>>長期優良住宅のメリット5つ | デメリットや失敗を防ぐポイントも解説
1.建築コストが高くなる
長期優良住宅の認定を受けるためには、耐震性や省エネルギー性能などさまざまな項目において高いレベルの基準を満たす必要があります。そのため、基準を満たすための設計や構造、資材費なども一般住宅と比べて割高です。
また、工期が長くなると、人件費もかかります。
上記の要因などから、長期優良住宅の建築コストは一般住宅と比べて高くなる傾向があります。
2.申請のための手間や時間、費用がかかる
長期優良住宅の認定手続きは工事着工前に行われます。申請から認定までに時間を要するため、一般住宅と比べて着工までに時間がかかる点がデメリットです。
長期優良住宅の認定申請や審査には費用もかかります。具体的な費用は所管行政庁によって異なりますが、目安として5~6万円程度です。また、申請はハウスメーカーや工務店が行うため、手数料含めて20~30万円程度かかると見込んでおきましょう。
3.定期点検やメンテナンスの手間と費用がかかる
長期優良住宅は入居後も認定基準を満たすために、事前に提出した維持保全計画に沿って定期的な点検及びメンテナンスが必要です。長期優良住宅の維持保全期間は30年で、点検は10年以内ごとに行うなどの規定が定められています。
計画に則った点検を怠ったり改善命令に違反したりすると認定取り消しになるだけでなく、補助金や優遇を受けた分の税金を返還するよう求められることもあるため注意が必要です。
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長期優良住宅の認定手続き
長期優良住宅の申請は着工前に、一般的には建築主である住宅会社や工務店が行います。
長期優良住宅の認定を受けるまでの流れは以下の通りです。
・設計において認定基準を満たす
・技術審査を受ける
→適合証が交付される
・認定申請を行う
→認定通知書が交付され、着工可能となる
ここでは、認定の手続きについて基本的な事項を押さえておきましょう。
設計において認定基準を満たす
長期優良住宅の認定項目においてはそれぞれに詳細な評価基準があり、審査に通過するためには設計段階から基準を満たしておくことが必要です。
技術審査を受ける
設計が完成したら、登録住宅性能評価機関の技術的審査を受けます。申請には確認申請書(または設計住宅性能評価申請書)および添付図書(設計内容説明書や各種図面、計算書など)が必要です。
着工予定の住宅が性能面で長期優良住宅の認定基準を満たしていることが確認されると「適合証」が交付されます。
認定申請を行う
次に、所管行政庁に認定申請をします。申請に必要な書類は適合証のほか、認定申請書および添付図書(確認書や各種図面、計算書など所管行政庁が提出を求める書類)です。
申請が受理された後に適合審査が行われ、長期優良住宅として認定されると「通知書」が交付されます。これで長期優良住宅の着工が可能です。
認定を受けると発行される通知書や申請のポイントについては、こちらの記事からご覧ください。
>>長期優良住宅認定通知書が適用する住宅とは?申請方法も解説