違いを楽しむスキミアの品種解説


「ルベラタイプ」のスキミア。左からルベラ、フィンチー、ペローサ。

スキミアには、つぼみの形状で「ルベラタイプ」と「ドワーフタイプ」に分けられます。

ルベラタイプとは、つぼみの房(集合体)が比較的大きく、粒々したつぼみが散状になります。このタイプにあたる品種には、ルベラ、フィンチー、ペローサが代表的です。


「ドアーフタイプ」のスキミア。左から、レッドドアーフ、ホワイトグローブ、マジックマルロー、セレブレーション。

ドワーフタイプとは、つぼみの房がギュッと詰まっているので、つぼみがボール状に集合した姿になります。このタイプにあたる品種には、レッドドワーフ、ホワイトグローブ、マジックマルローがあり、セレブレーションはドアーフタイプの中でもキャンドル系と呼ばれ、つぼみがキャンドル(ロウソク)状に集まっている特殊な品種です。


スキミアの色合いは鮮やかというよりも、アンティークカラー。落ち着いた色合わせがしっくり馴染みます。他の植物と組み合わせた際、健康的で濃いグリーンの葉色が全体の色調を整えてくれます。

近くで眺めるような寄せ植えなどには、ドワーフタイプを、花壇や景観に使う場合は、ルベラタイプが向いています。また、ドワーフタイプの葉はルベラタイプに比べて短いため、つぼみが隠れないところからも、寄せ植えの花材に向いています。

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スキミアの品種バリエーション

代表的品種「ルベラ(Rubella)」


つぼみ(左)から開花まで長く楽しめる。Eurybia/rebaix-fotografie/Shutterstock.com

スキミアのなかで最も人気が高く、一番入手しやすい品種。赤と緑を貴重としたカラーリングで、クリスマスやお正月の飾りとして季節感を演出するのにピッタリ。

グリーンのつぼみ「フィンチー(Finchy)」


つぼみから開花の色変わりが楽しめるのも魅力。 Traveller70/Wiert nieuman/Shutterstock.com

クリスマスの新しい雰囲気をプラスできる演出用花材として、フローリストを中心に人気がある品種。つぼみの形はルベラタイプ。爽やかなグリーンのつぼみが、他の植物との色合わせのしやすさから、近年爆発的な人気に。花は白からクリーム色。

斑入り葉の「ペローサ(Perosa)」


Wiert nieuman/Shutterstock.com

大柄なマーブル模様とアンティークカラーの葉が他にはないスペシャルな印象があるスキミア。つぼみの形はルベラタイプ。ピンクのつぼみと斑入り模様の葉が新鮮な印象をプラスする花材として、新しい使い方で花業界に注目されています。

コンパクトな「レッドドワーフ(Red Dwarf)」

代表的品種のルベラに比べて、樹高は半分ほどと低く、つぼみが上向きの矮性種。つぼみの集まり具合がほどよく、プリッとした花房が特徴的。ルベラより主張の強い鮮やかさがあり、メリハリのあるカラーリング。

緑色のコンパクト種「ホワイトグローブ(White Globe)」

レッドドアーフと同様に、ルベラに比べて半分ほどの草丈でつぼみが上向きにに咲く矮性種。つぼみの集まり具合がほどよく、レッドドワーフと同様にプリッとした花房が特徴的。つぼみの色もフィンチーの緑とは異なる主張の強い鮮やかさで美しい。

色変わりが魅力の「マジックマルロー(Magic Marlot)」


晩秋は、クリームがかった緑系のつぼみは、クリスマス頃になると右写真のように鮮やかなピンクに色が移り変わる。

くっきりと白く縁取られる斑入り葉を茂らせながら、つぼみが色変わりするという特別な個性をもつ品種。クリーミー系のライトグリーンのつぼみが、徐々に寒さを感じながらピンクに移り変わり、楽しみが多い魅力的なスキミアです。

花付きがよい新品種「セレブレーション(Celebrations)」

つぼみがボール状に集合するドワーフタイプでありながら、レッドドワーフやホワイトグローブとは異なるつぼみの形状。なんといっても、花付きが倍以上優れているので、今までにないスキミアの使い方が期待できる、2023年に試験輸入をスタートしたばかりの新品種。