看護休暇の現状と取得状況

厚生労働省の調査によると、令和3年度時点で65.7%の事業所が看護休暇規定を設けています。従業員が5人から29人以下の事業所で60.3%、100人から499の人以下の事業所で94.3%となっているため、事業規模が大きいほど看護休暇が整備されていることになります。

一方で、実際の取得状況は28.3%とかなり低い印象です。子供が元気で保育園や幼稚園に通園しているのが一番ですが、制度が浸透していない、または子の看護休暇の対象とならないケースもあるかもしれません。このような背景から、次で紹介するように制度の見直しが行われるようになっています。

(広告の後にも続きます)

2025年4月からの看護休暇制度の改正ポイント 


絆創膏を貼られる男の子
【画像出典元】「stock.adobe.com/Viacheslav Yakobchuk」

2025年4月1日より育児・介護休業法の見直しが行われます。改正のポイントは次の通りです。

表:厚生労働省「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」を基に筆者作成

 1.対象となる子供の範囲が拡大
これまで小学校就学前までが対象だった看護休暇が、小学校3年生修了までに拡大されるのは大きな変更点です。

2.感染症による学級閉鎖にも対応
コロナ禍の経験を経て、子供が病気でなくても感染症による学級閉鎖が発生した場合は休暇を取れるようになります。

3.入園・入学式などのイベントにも対応
これまで対象外だった入園式・入学式などの学校行事でも、看護休暇を取得することが可能になります。

4.入社後6カ月未満の従業員も対象に
これまで入社後6カ月未満の従業員は看護休暇の対象外でしたが、今後は対象となります。特に出産後に再就職したというような従業員にとっては、看護休暇の必要性は高いかもしれません。初めて子供を保育園に預けるなどで、これまでと生活が大きく変わり子供が体調を崩しやすいことも珍しくありません。そんな時に看護休暇を利用できるのは大きな安心材料となるわけです。

参考:厚生労働省「育児・介護休業法改正ポイントのご案内