30坪の間取り、どんなものがある?気になる費用相場も解説

注文住宅を建てる際、「30坪の住宅の広さはどの程度?」「どういった間取りになるの?」といった疑問を持つ方は少なくありません。実際に住宅支援機構が行った『2020年 フラット35利用者調査』によると、注文住宅における床面積の全国平均は約38坪。30坪前後が平均的な家の大きさになってくるのです。

しかし一言でいって「30坪」といっても、大体何部屋ほど確保できるのか、また建築費はいくらなのかなど、分からないことも多いですよね。今回は、30坪の住宅の広さや建築費の費用相場についてご紹介します。

 

30坪の住宅の間取りとは?

「30坪といわれてもどの程度の広さなのか実感がわかない」と感じる方は多いでしょう。30坪は全国的にみると平均的な間取りといえますが、大体何人家族におすすめの間取りになるのでしょうか。

まずは30坪の広さがどのくらいなのか、間取りのイメージについてざっくりとご紹介しましょう。

 

30坪は約99.3平米

そもそも1坪は約3.31平米で、畳に換算すると約2枚分になります。30坪は約99.3平米、畳約60枚分の広さです。住宅金融支援機構が実施している「フラット35利用者調査2020年」を確認すると、注文住宅の住宅面積の全国平均が「124.4平米」。約99.3平米である30坪ちょうどの住宅は、平均より少し狭い住宅といえます。

ちなみに、マンションの住宅面積平均である「66.2平米」。注文住宅と約33平米ほどの差があるとわかります。しかし、玄関や家の中の階段などにもスペースが必要になるため、間取りの印象は実感としてそこまで大きく変わらないかもしれません。

 

間取りのイメージ

30坪の住宅の間取りは、2階建てや総2階の「3LDK〜4LDK」が多いといわれています。3LDKとは、3部屋の居室にLDK(リビング・ダイニング・キッチン)が付く間取り、4LDKでは4部屋の居室が付く間取りになります。近年では3LDK〜4LDKという間取りは、親世帯と同居しない核家族世帯が暮らすには十分な広さといえるでしょう。

また近年人気になっている平屋の間取りは、30坪でも実現可能です。しかし30坪の平屋になると、廊下があまりない間取りになってしまいます。廊下というデッドスペースを極力なくすことで、30坪でも平屋という間取りを実現できます。

 

30坪の間取りでは、家族構成は大人2人・子ども1~2人ほどが好ましい

家族構成による広さの基準は、実際に国が定めている「誘導居住面積水準」でも確認できます。30坪の間取りでは何人の家族構成が適切かどうか気になる方は、誘導居住面積水準で確認しましょう。

この誘導居住面積水準とは、「豊かな住生活の実現とさまざまなライフスタイルに対応するために必要と考えられる」住宅の面積に関する水準を指します。この水準によると、30坪の広さは、郊外や都市部以外の地域では「大人2人子ども1人程度」、都市部では「大人2人子ども2人程度」が望ましいとのこと。この結果からも、30坪の間取りは核家族世帯に向いているのだと分かりますね。

 

30坪の家に必要な土地の広さ

では、30坪の間取りの家を建てる際にはどの程度の土地が必要なのでしょうか。30坪の住宅を建てる際に必要な土地の広さを考える際は、「建ぺい率」と「容積率」を理解する必要があります。

容積率とは、敷地面積に対する延床面積に対する割合のこと。用途地域別に割合が決められており、一戸建て住宅が多い「第一種低層住居専用地域」などでは、「50〜200%」で設定されています。一方で、建ぺい率とは、建築面積に対する建築面積の割合のこと。容積率と同様に用途地域別に割合が定められており、「第一種低層住居専用地域」などでは、一部例外を除いて「30〜60%」に定められていることが多いといわれています。

では、「建ぺい率50%、容積率100%」というケースを想定して、30坪間取りの家を建てる際に必要な広さを考えてみましょう。

30坪の平屋1階建て:1階30坪のケースなら敷地面積は60坪必要

30坪2階建て:1階20坪+2階10坪の計30坪ケースなら敷地面積は40坪必要

30坪3階建て:1階10坪+2階10坪+3階10坪のケースなら敷地面積は30坪必要

このように、「建ぺい率」と「容積率」によって必要な敷地面積が変わるため、事前に確認しておきましょう。

 

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30坪の間取りを実例とともにご紹介!

実際に建てられた30坪の住宅を実例とともにご紹介します。30坪の間取りは平屋・2階建てなど様々あり、少しの工夫で暮らしやすい家に仕上がります。30坪で部屋を広く見せるポイントを見ていきましょう。

 

30坪の間取り①子ども部屋を併設した広々LDKの平屋間取り

LDKに子ども部屋を併設させ、LDKの空間を広く見せた30坪の平屋住宅。子ども部屋とLDKの間には大きな引き戸を設置することで、引き戸を開けるとLDKの空間が広くなる点がポイントです。

とくに子ども部屋は、将来的に必要になるかどうか?など可変性を問われる場所。引き戸を閉めると自分だけの空間に、引き戸を開けておくと家族で使えるLDKに…というように変化できる間取りにしておくことで、効率のよい空間の使い方ができています。

 

外観はカリフォルニアテイストを意識した爽やかなデザインに。まるでサーファーズハウスのような、異国感ただよう素敵な外観ですよね。

 

矢印でマークしてある部分が、LDKに併設している子ども部屋。将来間仕切りになっており、仕切りを導入して2部屋に分けることも可能です。将来間仕切りは、家族構成がまだ決まっていない家族にぴったりの間取りですよね。

子ども部屋とLDKの間に引き戸を設置し、LDK全体が広くなるような間取りになっています。

子どもが小さいうちは、子どものお昼寝スペースとしても活用できます。

 

30坪の間取り②ぐるぐる回れる動線の平屋間取り

30坪の平屋は回遊性を意識することで、より過ごしやすい住宅になります。上記の間取りではLDKから各居室につながるほか、玄関から主寝室の間をぐるぐると回れる回遊動線を施しているのがポイント。身支度から玄関までの動線が確保されているため、生活リズムが異なる場合でも対応できる間取りに仕上がっています。

 

自然いっぱいの土地にクールなダークカラーの外壁。屋根は勾配を付けた片流れ屋根となっており、クールなテイストを後押ししています。メリハリのあるおしゃれな外観に仕上がっていますよね。

 

 

奥行きのある縦長の土地を生かし、LDKも縦長の間取りに。キッチンとリビングを平行にすることでぐるぐるとキッチンの周りを動ける間取りにしています。キッチン周りの動線をよくすることで、冷蔵庫渋滞や調理の際の渋滞などを防げる点も魅力の一つ。縦長の土地を生かした効率的な間取りに仕上がっています。

 

30坪の間取り③ロフトと勾配天井がユニークで素敵な間取り

30坪の住宅は、開放感を意識することでより暮らしやすい間取りに仕上がります。上記の間取りは、ロフトと勾配天井を活用している点がポイント。空間を縦に使うよう意識するとより開放感が生まれ、ゆったりとリラックスできる間取りを実現できます。

 

片流れ屋根を採用し、モダンでおしゃれな印象に。玄関ポーチは目隠し機能にもなる壁を採用し、おしゃれな雰囲気に。ネイビー×ホワイトの組み合わせもかわいいですよね。

 

 

キッズスペースを併設したリビングで、広々とした空間に仕上げた30坪の間取り。畳スペースと木材がマッチしておしゃれに仕上がっています。

 

ロフトを設置して1階を見渡せるように工夫している点もポイント。空間に立体感が生まれますよね。ロフトには窓を3つ設置し、採光にも優れたつくりに。